- 売上高: 516.77億円
- 営業利益: 49.90億円
- 当期純利益: 24.52億円
- 1株当たり当期純利益: 122.94円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 516.77億円 | 461.38億円 | +12.0% |
| 売上原価 | 282.94億円 | - | - |
| 売上総利益 | 178.44億円 | - | - |
| 販管費 | 139.63億円 | - | - |
| 営業利益 | 49.90億円 | 38.80億円 | +28.6% |
| 営業外収益 | 8.12億円 | - | - |
| 営業外費用 | 2.47億円 | - | - |
| 経常利益 | 44.59億円 | 44.45億円 | +0.3% |
| 法人税等 | 21.28億円 | - | - |
| 当期純利益 | 24.52億円 | 58.08億円 | -57.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 30.00億円 | 61.46億円 | -51.2% |
| 包括利益 | 21.71億円 | 52.88億円 | -58.9% |
| 減価償却費 | 33.43億円 | - | - |
| 支払利息 | 1.96億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 122.94円 | 252.85円 | -51.4% |
| 1株当たり配当金 | 45.50円 | 20.00円 | +127.5% |
| 年間配当総額 | 10.33億円 | 10.33億円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 424.68億円 | - | - |
| 現金預金 | 45.85億円 | - | - |
| 売掛金 | 151.51億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 53.81億円 | - | - |
| 固定資産 | 475.31億円 | - | - |
| 有形固定資産 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 58.01億円 | 41.51億円 | +16.50億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -42.19億円 | -16.58億円 | -25.61億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 9.54億円 | -4.35億円 | +13.89億円 |
| フリーキャッシュフロー | 15.82億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 営業利益率 | 9.7% |
| 総資産経常利益率 | 4.9% |
| 配当性向 | 16.8% |
| 純資産配当率(DOE) | 2.4% |
| 1株当たり純資産 | 1,917.82円 |
| 純利益率 | 5.8% |
| 粗利益率 | 34.5% |
| 流動比率 | 118.6% |
| 当座比率 | 103.6% |
| 負債資本倍率 | 0.95倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +12.0% |
| 営業利益前年同期比 | +28.6% |
| 経常利益前年同期比 | +0.3% |
| 当期純利益前年同期比 | -57.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -51.2% |
| 包括利益前年同期比 | -58.9% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 24.89百万株 |
| 自己株式数 | 436千株 |
| 期中平均株式数 | 24.40百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,918.12円 |
| EBITDA | 83.33億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 20.00円 |
| 期末配当 | 22.50円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 574.90億円 |
| 営業利益予想 | 55.20億円 |
| 経常利益予想 | 52.40億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 38.10億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 155.79円 |
| 1株当たり配当金予想 | 21.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
富士製薬工業(4554)の2025年度Q4通期は、売上高51,677百万円(前年比+12.0%)、営業利益4,990百万円(+28.6%)とトップライン・利益ともに堅調で、数量増や製品ミックス改善、販管費の増加抑制が寄与したとみられます。売上総利益は17,844百万円で粗利率は34.5%と改善余地を残しつつも安定的です。営業利益率は9.7%(=4,990/51,677)と2桁に迫り、前年からの拡張が示唆されます。一方、当期純利益は3,000百万円(-51.2%)と大幅減益で、経常利益4,459百万円に対し法人税等2,128百万円の負担が重く、特別要因や税負担増が純利益を押し下げた可能性があります。デュポン分解によるROEは6.40%で、純利益率5.81%、総資産回転率0.553回、財務レバレッジ1.99倍の積に整合的です。営業CFは5,801百万円と純利益を上回り(営業CF/純利益=1.93倍)、フリーキャッシュフロー(FCF)は1,582百万円とプラスを確保しており、利益のキャッシュ化は良好です。投資CFは▲4,219百万円で、研究開発や設備投資を継続しながらもFCF黒字を維持している点は評価できます。流動比率118.6%、当座比率103.6%と短期流動性は許容範囲、負債資本倍率0.95倍、インタレストカバレッジ25.5倍と財務健全性は総じて良好です。EBITDAは8,333百万円、EBITDAマージン16.1%と、固定費吸収が進みキャッシュ創出力が強まっています。売上の伸長に対して営業利益の伸びが大きいことから、営業レバレッジが効いており、一定の売上成長下で利益率改善が見込める構造です。年間配当は0円で、配当性向0%・FCFカバレッジ0.00倍(無配のため)となっています。無配方針は成長投資・財務柔軟性の維持に整合的ですが、今後の安定的キャッシュ創出とレバレッジ水準を踏まえると、将来的な株主還元再開のオプションは保持しています。総資産は93,405百万円、純資産46,908百万円で自己資本厚く、負債44,437百万円とのバランスも過度ではありません。薬価改定環境下でも二桁の売上成長と利益率改善を示したことは、製品ポートフォリオの価格・数量両面の強さや供給安定性の高さを示唆します。ただし、純利益の大幅減は税負担や一過性費用の影響が疑われ、持続的な最終利益の回復が今後の評価軸となります。今期は営業CFが利益を大きく上回りキャッシュフロー品質が高い一方、投資キャッシュフローの継続的な流出が続くため、投資のリターン顕在化タイミングが重要です。データには一部不記載項目があり、詳細な分解(キャッシュ残高、発行株式数、自己資本比率など)は前提の制約を受けますが、開示された主要KPIに基づく限り、事業・財務の質は総じて堅調と評価されます。
ROEは6.40%で、純利益率5.81% × 総資産回転率0.553回 × 財務レバレッジ1.99倍で説明されます。営業利益率は9.7%(=4,990/51,677)で、前年からの改善が示唆されます。粗利率34.5%に対しEBITDAマージン16.1%、営業利益率9.7%と段階的に目減りしており、販管費・研究開発費の吸収がカギです。営業利益成長(+28.6%)が売上成長(+12.0%)を大きく上回っており、営業レバレッジは約2.4倍(28.6/12.0)と推定されます。インタレストカバレッジ25.5倍(=4,990/196)と利払い耐性が高く、金融費用は収益性の足かせではありません。純利益率は5.81%と薬価改定業界平均に照らして中位、法人税等2,128百万円の負担により経常利益から最終利益への落ち込みが大きい点が目立ちます。減価償却費3,343百万円とEBITDAの構成から、資産回転率の改善余地はあるものの、既存設備の稼働率向上で追加投資なしの利益押上げ余地もあります。総資産回転率0.553回は製薬のアセット性を踏まえると妥当水準で、売上増に伴う固定費希釈が今後のROE押上げドライバーとなります。利益率の質は、営業CF/純利益1.93倍が示すようにキャッシュコンバージョン良好で、会計上の利益に比し実キャッシュ創出が厚い構造です。
売上高は51,677百万円で前年比+12.0%、数量増・新製品寄与・供給安定によるシェア獲得が主因とみられます。営業利益+28.6%と高い増益率は固定費の希釈が進んだ結果で、基礎的成長継続時の利益率改善余地を示唆します。純利益は-51.2%と大幅減で、税負担や一過性の費用・損益計上の影響が強いとみられ、成長の持続性評価では営業段階の強さを重視する必要があります。売上の持続可能性は、既存主力(病院向け注射剤、女性医療など)の需要の底堅さと、薬価改定の逆風のバランス次第です。価格改定の影響をミックス改善と数量で吸収した形跡があり、今後も供給信頼性とラインアップ拡充が鍵です。利益の質は、EBITDAマージン16.1%・営業CF>純利益という点で高く、一次性要因を除けば基礎的収益力は改善局面にあります。先行投資(投資CF▲4,219百万円、売上比約8.2%)は中期成長のためのR&D・設備対応と推定され、24-36か月の回収・収益化が焦点です。短期見通しでは、薬価改定・原材料価格・為替の変動がグロスマージンに与える影響を警戒しつつ、数量成長の継続がベースシナリオです。
流動比率118.6%、当座比率103.6%で短期的な支払能力は概ね良好です。運転資本は6,671百万円とプラスで、在庫5,381百万円を含め過度な負担は見られません。総資産93,405百万円、純資産46,908百万円、負債44,437百万円で負債資本倍率0.95倍とバランス良好です。インタレストカバレッジ25.5倍から、利払い負担は極めて軽微です。レバレッジ(財務レバレッジ1.99倍)はROEの押し上げに寄与する一方、金利上昇局面の感応度は限定的とみられます。資本構成は自己資本厚めで、追加の成長投資やM&Aのオプションを確保しています。
営業CFは5,801百万円で純利益3,000百万円の1.93倍と、利益のキャッシュ化は非常に良好です。投資CFは▲4,219百万円で、設備投資・R&D関連支出が中心と推定されます。フリーキャッシュフローは1,582百万円のプラスを確保し、成長投資と内部資金創出のバランスが取れています。EBITDA8,333百万円と比較してもFCFは十分に確保され、キャッシュ創出力の裏付けがあります。運転資本は6,671百万円で、在庫5,381百万円を含めた運転資金効率の管理が今後のCF安定性に重要です。営業CF/EBITDA比は約70%(=5,801/8,333)と高水準で、減価償却費がキャッシュフローを支えています。
当期の年間配当は0円で配当性向0%。無配ながらFCFは1,582百万円の黒字で、理論上は小規模な配当実施の余地はありますが、同社は成長投資を優先していると考えられます。財務レバレッジは穏健で利払い負担も軽いため、将来的な配当再開のキャッシュカバレッジは確保しやすい状況です。配当方針は開示前提に依存しますが、今後の配当可否はFCFの持続性、投資案件のIRR、薬価改定影響の見通しで判断されるとみられます。
ビジネスリスク:
- 薬価改定による価格下落とマージン圧縮
- 原材料・エネルギー価格上昇による売上原価増
- 供給遅延・品質問題による出荷停止リスク
- 競合の参入・代替薬登場によるシェア低下
- 為替変動による原材料・仕入コストの変動
- 主要顧客・卸への販売条件変化(リベート・与信)
財務リスク:
- 税負担・一過性損失による純利益の変動性
- 運転資本の積み上がりによる営業CFの変動
- 投資CFの増加に伴う将来的な減価償却・固定費負担の上昇
- 金利上昇局面での資金調達コスト上振れ(現状感応度は限定的)
主な懸念事項:
- 純利益が前年比▲51.2%と大幅減である点(税負担や一過性要因の精査が必要)
- 投資負担(投資CF▲4,219百万円)の回収見通しとROIの可視化
- 薬価改定の次期影響度と価格低下の吸収余地
重要ポイント:
- 売上+12.0%、営業利益+28.6%と営業レバレッジが強く働く局面
- ROE6.40%は改善余地を残すが、営業段階の収益力は底堅い
- 営業CF/純利益1.93倍、FCF+15.8億円でキャッシュフロー品質は高い
- 流動性・レバレッジ指標は健全、追加投資余力あり
- 純利益減益は一過性要因の可能性があり、来期の最終利益回復が焦点
注視すべき指標:
- 粗利率と営業利益率の継続的改善(目安:GM>34%、OPM>10%)
- 営業CF/純利益比(>1.0倍の維持)
- 投資CF規模と投資案件のIRR・回収期間
- 在庫水準とリードタイム(欠品・過剰の兆候)
- 税負担率(法人税等/経常利益)の正常化
セクター内ポジション:
国内ジェネリック・病院向け製品に強みを持ち、供給信頼性を背景に数量成長を実現。薬価改定環境下でも営業利益率を押し上げた点で同業中位・上位の運営効率。最終利益のボラティリティはやや高いが、キャッシュ創出力で相対的に良好なポジショニング。
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