- 売上高: 312.29億円
- 営業利益: 12.47億円
- 当期純利益: 8.31億円
- 1株当たり当期純利益: 97.40円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 312.29億円 | 297.39億円 | +5.0% |
| 売上原価 | 213.56億円 | - | - |
| 売上総利益 | 83.82億円 | - | - |
| 販管費 | 59.47億円 | - | - |
| 営業利益 | 12.47億円 | 24.34億円 | -48.8% |
| 営業外収益 | 1.56億円 | - | - |
| 営業外費用 | 4.47億円 | - | - |
| 経常利益 | 11.31億円 | 21.43億円 | -47.2% |
| 法人税等 | 6.00億円 | - | - |
| 当期純利益 | 8.31億円 | 15.35億円 | -45.9% |
| 減価償却費 | 11.61億円 | - | - |
| 支払利息 | 72百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 97.40円 | 179.75円 | -45.8% |
| 1株当たり配当金 | 40.00円 | 40.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 483.42億円 | - | - |
| 現金預金 | 62.64億円 | - | - |
| 売掛金 | 264.91億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 126.42億円 | - | - |
| 固定資産 | 333.86億円 | - | - |
| 有形固定資産 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 7.69億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 4.77億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 2.7% |
| 粗利益率 | 26.8% |
| 流動比率 | 109.5% |
| 当座比率 | 80.9% |
| 負債資本倍率 | 1.43倍 |
| インタレストカバレッジ | 17.32倍 |
| EBITDAマージン | 7.7% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +5.0% |
| 営業利益前年同期比 | -48.8% |
| 経常利益前年同期比 | -47.2% |
| 当期純利益前年同期比 | -45.8% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 9.45百万株 |
| 自己株式数 | 913千株 |
| 期中平均株式数 | 8.54百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,982.82円 |
| EBITDA | 24.08億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 40.00円 |
| 期末配当 | 42.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 615.00億円 |
| 営業利益予想 | 34.00億円 |
| 経常利益予想 | 33.00億円 |
| 当期純利益予想 | 23.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 269.24円 |
| 1株当たり配当金予想 | 45.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
扶桑薬品工業(単体)2026年度第2四半期は、売上高312.29億円(前年比+5.0%)と増収ながら、営業利益12.47億円(前年比-48.8%)、当期純利益8.31億円(同-45.8%)と大幅な減益となりました。粗利益率は26.8%で、前年からのマージン低下が示唆され、営業利益率も約4.0%まで縮小しました(前年は試算で約8.2%)。販管費は71.35億円と売上比22.9%まで上昇し、増収効果を吸収しきれずに利益を圧迫しています。EBITDAは24.08億円、EBITDAマージンは7.7%で、減価償却費(11.61億円)を考慮してもキャッシュ創出力はやや鈍化しています。デュポン分析では、純利益率2.66%、総資産回転率0.366回、財務レバレッジ2.51倍からROEは2.44%(報告値一致)と低水準で、収益性・効率性双方の弱さが示されます。営業キャッシュフローは7.69億円で、純利益に対するキャッシュ変換(営業CF/純利益)は0.93倍と1倍を下回り、運転資本の積み上がりがうかがえます。流動比率109.5%、当座比率80.9%と短期流動性は最低限の水準を確保していますが、運転資本は42.11億円と限定的で、棚卸資産126.42億円の厚みがキャッシュ効率を抑制している可能性があります。負債資本倍率は1.43倍と過度ではなく、金利負担も営業利益に対して十分にカバーされています(インタレストカバレッジ17.3倍)。法人税等は6.00億円で、当期純利益との関係から試算上の実効税率は約41.9%とみられ、税負担は平常域と推定されます(開示の指標値は0.0%と未記載扱い)。配当は年0円、配当性向0.0%とされていますが、期中情報のため通期方針は不確実で、フリーキャッシュフローや投資計画のデータ未記載も相まって配当の持続可能性評価には制約があります。総資産は854.33億円、純資産340.08億円で、試算ベース自己資本比率は約39.8%と見られ、バランスシートは相対的に健全です。売上は増加する一方で利益率が大幅に悪化しており、原材料・エネルギーコストや償却費、販管費の伸び、価格改定環境の影響が背景と推測されます。IV輸液など主力領域の価格競争やNHI償還価格の下押しは、粗利率の回復に時間を要する可能性があります。営業レバレッジは負に働いており、追加のコスト最適化や価格改定の浸透がなければ、下期も利益率の回復は限定的となるリスクがあります。キャッシュ面では営業CFの水準が利益をやや下回っており、棚卸資産・売上債権の回転改善が鍵です。投資CF・現金同等物・発行済株式数などに未記載が見られ、定量分析の一部に推計を用いています(例:純利益とEPSから推計株式数約853万株、P/Bの試算余地など)。総じて、収益性低下とキャッシュ変換率の鈍さが当面の課題であり、価格転嫁の進捗、コスト抑制、運転資本効率の改善が中期的なROE回復の要諦です。
ROE分解(デュポン):純利益率2.66% × 総資産回転率0.366回 × 財務レバレッジ2.51倍=ROE 2.44%。ROA(試算)は純利益率×総資産回転率=約0.97%(年換算では約1.9%相当)と低い。営業利益率は3.99%(=12.47億円/312.29億円)で、前年(試算約8.19%)から約4.2pp悪化。粗利益率26.8%に対し販管費率22.9%と高く、粗利の約85%を販管費が吸収している構図。EBITDAマージン7.7%は、償却負担(11.61億円)が一定の重しであることを示唆。営業レバレッジは明確に負(売上+5%に対し営業利益-48.8%)で、コスト構造の硬直性や価格改定の遅れが示唆される。利払費0.72億円に対して営業利益12.47億円、カバレッジ17.3倍と財務費用は利益率の主因ではない。利益率の質は、粗利率の低下と販管費の伸長が主因であり、単価・製品ミックス・原価(原材料・エネルギー・物流)・償却のいずれかの逆風が作用した可能性が高い。
売上は+5.0%と堅調で、基礎需要や価格改定の一部浸透が寄与したと推測される。一方、利益は大幅減で、売上成長の質は利益面で乏しい。粗利率26.8%への低下、販管費22.9%への上昇から、当面の増収は利益に結びつきにくい。EBITDAの伸び悩みと営業レバレッジのマイナス化により、短期的な利益成長見通しは慎重。中期では、原材料・エネルギーコストの落ち着き、価格転嫁・ミックス改善、設備稼働の正常化が進めばマージンの回復余地あり。売上の持続可能性は、医療機関の需要と償還価格改定サイクル、競合状況に依存。利益の質はキャッシュ変換率0.93倍が示す通り完全ではなく、運転資本の効率改善が条件。ガイダンス未記載のため定量的アウトルックは限定的だが、下期は増収基調継続を前提に、コスト最適化の進捗次第で利益率底打ちの可能性。
流動性:流動比率109.5%、当座比率80.9%とギリギリながらも可。運転資本は42.11億円で、棚卸資産126.42億円の比重が高い。支払能力:負債合計486.85億円、純資産340.08億円で負債資本倍率1.43倍、金利負担は限定的(利払費0.72億円、カバレッジ17.3倍)。資本構成:総資産854.33億円に対し純資産340.08億円より、試算ベース自己資本比率は約39.8%と中立〜やや健全。レバレッジ(総資産/純資産)2.51倍は同業中位。短期負債の比率が高く(流動負債441.31億円)、借換え・運転資金管理の巧拙がキャッシュに影響しやすい構造。
利益の質:営業CF/純利益=0.93倍で1倍割れ。利益に対する現金創出がやや弱く、運転資本(とくに棚卸・売上債権)の積み上がりが示唆される。営業CFマージンは約2.46%(=7.69億円/312.29億円)と低い。FCF分析:投資CF・FCFは未記載(0表示)で評価に制約。減価償却費11.61億円を踏まえると、メンテナンス投資の実態次第でFCFは振れが大きい可能性。運転資本:運転資本42.11億円、棚卸資産126.42億円と厚く、在庫回転・需要予測の精度がCFO改善の鍵。短期的には在庫最適化と与信管理強化によりCFO>純利益の回復が望まれる。
期中データでは年間配当0円、配当性向0.0%とされるが、通期方針は不明で投資CF・FCF未記載のため定量評価に限界。利益水準(EPS97.40円)とバランスシートの余力(試算自己資本比率約39.8%)を踏まえれば、利益とキャッシュの安定が確認できれば配当余力は一定程度あると考えられる。現時点では営業CFが純利益を下回っており、FCFカバレッジの判断は困難。持続可能性判断の前提として、下期の利益率回復と運転資本の解放、ならびに実際の設備投資水準の開示が必要。
ビジネスリスク:
- NHI償還価格の下落・薬価改定による価格下押し
- 原材料・包材・エネルギーコスト高止まりによる粗利圧迫
- IV輸液等主力領域の競争激化と価格競争
- 需要予測のブレによる在庫積み上がり・廃棄リスク
- 品質・GMP/当局対応に関するコンプライアンスリスク
- サプライチェーン寸断(原料調達、物流)
財務リスク:
- 流動負債比率の高さに伴う短期資金繰りリスク
- 営業CFが純利益を下回る状態の継続によるキャッシュ創出力低下
- 在庫・売上債権の増勢による運転資金負担拡大
- 金利上昇時の資金調達コスト上振れ(現状は影響限定的)
主な懸念事項:
- 粗利益率の低下継続と販管費圧力により、営業レバレッジが負に働いている点
- 営業CF/純利益<1倍と在庫厚みが示すキャッシュ効率の鈍さ
- 投資CF・現金同等物等の未記載により、FCFと配当余力の見極めが難しい点
重要ポイント:
- 増収ながら大幅減益、営業利益率は約4.0%まで低下しROEは2.44%に縮小
- 粗利率26.8%・販管費率22.9%で利益率悪化、コスト構造の是正が急務
- 営業CF/純利益0.93倍とキャッシュ変換が弱く、運転資本効率改善が鍵
- 負債資本倍率1.43倍・カバレッジ17.3倍と財務負担は抑制的でバランスシートは堅実
- 価格改定の浸透、在庫最適化、コストコントロールが中期ROE回復ドライバー
注視すべき指標:
- 粗利益率と営業利益率(コスト転嫁・ミックス改善の進捗)
- 営業CF/純利益と運転資本回転(在庫・売上債権回転日数)
- 投資CF(メンテ/成長投資)とFCFの実績
- 価格改定・償還価格動向と販売単価
- インタレストカバレッジおよび短期負債構成の推移
セクター内ポジション:
国内医薬・輸液関連同業と比較してバランスシートは中位の健全性を維持する一方、足元の利益率・ROEは同業平均を下回る局面。短期はコスト逆風と価格環境で見劣り、在庫効率・価格転嫁が進めば中期改善余地。
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