- 売上高: 2,129.65億円
- 営業利益: 747.71億円
- 当期純利益: 835.32億円
- 1株当たり当期純利益: 98.19円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,129.65億円 | 2,139.70億円 | -0.5% |
| 売上原価 | 301.37億円 | - | - |
| 売上総利益 | 1,838.32億円 | - | - |
| 販管費 | 477.34億円 | - | - |
| 営業利益 | 747.71億円 | 758.69億円 | -1.4% |
| 税引前利益 | 983.84億円 | 938.33億円 | +4.9% |
| 法人税等 | 109.61億円 | - | - |
| 当期純利益 | 835.32億円 | 828.72億円 | +0.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 835.42億円 | 831.33億円 | +0.5% |
| 包括利益 | 985.57億円 | 822.44億円 | +19.8% |
| 減価償却費 | 102.91億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 98.19円 | 97.74円 | +0.5% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 98.16円 | 97.70円 | +0.5% |
| 1株当たり配当金 | 85.00円 | 85.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 8,585.04億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 654.77億円 | - | - |
| 固定資産 | 6,768.44億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 1,154.12億円 | - | - |
| 総資産 | 16,167.03億円 | 15,353.49億円 | +813.54億円 |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 787.97億円 | - | - |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -1,084.79億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -259.47億円 | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 3,747.95億円 | - | - |
| フリーキャッシュフロー | -296.82億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 39.2% |
| 粗利益率 | 86.3% |
| 負債資本倍率 | 0.12倍 |
| EBITDAマージン | 39.9% |
| 実効税率 | 11.1% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -0.5% |
| 営業利益前年同期比 | -1.4% |
| 税引前利益前年同期比 | +4.9% |
| 当期純利益前年同期比 | +0.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +0.5% |
| 包括利益前年同期比 | +19.8% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 889.63百万株 |
| 自己株式数 | 38.66百万株 |
| 期中平均株式数 | 850.85百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,692.59円 |
| EBITDA | 850.62億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 85.00円 |
| 期末配当 | 33.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 5,000.00億円 |
| 営業利益予想 | 1,850.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 1,880.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 220.94円 |
| 1株当たり配当金予想 | 33.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
塩野義製薬の2026年度Q2(IFRS・連結)は、売上高2,129.65億円(前年比-0.5%)と横ばい圏ながら、営業利益747.71億円(-1.4%)と小幅減益、当期純利益835.42億円(+0.5%)と底堅さを示した。粗利益率は86.3%と非常に高く、ロイヤルティや高付加価値製品の構成比が高い収益構造が確認できる。営業利益率は35.1%(=747.71/2,129.65)と引き続き高水準で、EBITDAマージンも39.9%(EBITDA 850.62億円)と強固。デュポン分析では純利益率39.2%、総資産回転率0.132、財務レバレッジ1.12倍からROEは5.8%で、利益率主導の収益性である一方、資産効率の低さがROEの上振れを抑えている。税引前利益983.84億円は営業利益を236.13億円上回り、営業外損益のプラス寄与が純利益を押し上げた可能性が高い(詳細内訳は未記載)。実効税率は11.1%と低位に留まり、税効果・地域ミックス・一過性要因の影響が示唆される。貸借対照表は総資産16,167.03億円、純資産14,403.58億円、自己資本比率88.6%と極めて堅固な財務基盤を維持。負債資本倍率0.12倍とレバレッジは軽く、財務リスクは限定的。営業CFは787.97億円と純利益比0.94倍で利益のキャッシュ化は概ね良好だが、投資CFは-1,084.79億円と大幅な資金流出で、フリーキャッシュフローは-296.82億円と赤字。設備投資は-80.66億円と抑制的であり、投資CFの主因はM&A・金融資産・提携関連支出等の戦略投資と推定される。配当面では、配当性向(計算値)125.7%と純利益ベースでは過大に見える一方、営業CFベースのカバーは十分で、FCFカバレッジは-0.28倍と投資の重さが足かせ。売上微減に対し営業利益の減少率がやや大きく、固定費の硬直性が示唆されるが、依然として高マージン・高キャッシュ創出力は維持。総じて、強固な収益性と財務体質を背景に中期成長投資を前倒ししている局面で、短期のFCFは投資負担で振れる可能性がある。研究開発費や営業外収支の詳細など未記載項目が多く、収益の持続可能性評価には一定の不確実性が残る。今後は税率の平準化、非営業損益の中身、投資の収益化タイミングが利益とFCFのモメンタムを左右する。棚卸資産654.77億円の動向は需給・販売計画の手掛かりとなり、運転資本効率の改善余地も注視点。円安・薬価改定・特許波及といった外部要因の影響度合いもモニターが必要。相対比較では、国内大手内で高いマージンと低レバレッジが際立つ一方、資産回転率の低さとFCFの投資主導のボラティリティが評価の分かれ目となる。
ROE分解(デュポン):ROE 5.8% = 純利益率39.2% × 総資産回転率0.132 × 財務レバレッジ1.12倍。純利益率は高水準だが、総資産回転率の低さがROEを抑制。営業利益率は35.1%(=747.71/2,129.65)で、粗利率86.3%からSG&A比率22.4%(=477.34/2,129.65)を差し引いた構造。EBITDAマージン39.9%は減価償却負担(102.91億円)が軽微であることを反映。税引前利益が営業利益を236.13億円上回っており、持分法・受取ロイヤルティ・金融収益等の非営業要因が純利益率を押し上げた可能性。実効税率11.1%は低位で、来期以降の平準化余地(税率上昇リスク)に留意。営業レバレッジの観点では、売上-0.5%に対し営業利益-1.4%とやや感応度が高く、固定費の硬直性が示唆されるが、依然として高マージンにより耐性は高い。資産効率は総資産回転率0.132と低く、多額の現金等の保有が背景。利益の質は営業利益依存に加え、非営業益の寄与が大きく見えるため、コア収益力の見極めに非営業項目のブレを考慮する必要がある。
売上は2,129.65億円で前年比-0.5%と横ばい圏。営業利益は-1.4%で、微減収下での固定費負担を吸収しきれず。純利益は+0.5%と非営業益の寄与で増益を確保。粗利率86.3%、EBITDAマージン39.9%の維持は高付加価値ポートフォリオの継続を示唆。R&D費は未記載で、パイプライン投資の強度を定量評価できない点は制約。投資CFが-1,084.79億円と大きく、M&A・提携・金融投資等の成長投資が活発で、中期の成長確度を高める布石と推定。設備投資は-80.66億円と抑制的で、無形資産・外部提携偏重の成長戦略が示唆される。税率が低位のため当期純利益成長は底上げされているが、税率平準化局面では見かけ上の成長鈍化余地。今後の売上持続可能性は、既存主力とロイヤルティ収入の粘着性、薬価改定影響、特許クリフ時期、そして新薬の上市スピードに依存。利益の質は高マージン・高CFOで概ね良好だが、非営業益の寄与がやや大きい点が持続性評価の不確実性。見通しとしては、高水準マージンを背景に安定的な利益創出が可能な一方、売上牽引にはパイプラインの実需化と国際展開が鍵。
自己資本比率88.6%、負債資本倍率0.12倍と極めて健全。総資産16,167.03億円に対し純資産14,403.58億円で、レバレッジ1.12倍と軽い。流動資産8,585.04億円、運転資本は同額で、流動負債未記載のため流動比率は算出不可だが、現金同等物3,747.95億円の保有で流動性安全域は厚い。棚卸資産654.77億円は売上比30.7%に相当し(=654.77/2,129.65)、在庫水準の適正化がキャッシュ効率改善余地。有利子負債は未記載だが、負債全体が1,728.52億円と小さく、支払能力リスクは低位。インタレストカバレッジは未算出だが、営業利益と現金水準から見て利払い耐性は高いと推定。資本構成は実質的に無借金に近く、外部ショック耐性は高い一方、資本効率(ROE)の観点では過剰流動性が逆風。
営業CFは787.97億円で純利益比0.94倍と利益のキャッシュ化は概ね良好。営業CFマージンは37.0%(=787.97/2,129.65)と強固。フリーキャッシュフローは-296.82億円と赤字で、投資CF-1,084.79億円が主因。設備投資は-80.66億円(売上比3.8%)に留まるため、無形資産投資・M&A・金融資産取得等の比重が高いと推定。配当金支払額は-243.46億円で、営業CFによる配当カバーは約3.2倍(=787.97/243.46)と余力があるが、FCFベースのカバレッジは-0.28倍(提供値)と投資期の資金需要が上回る。運転資本は流動資産8,585.04億円の大きさから流動性は潤沢だが、売上横ばい下では在庫・債権の効率化がCFO改善に寄与しうる。総じて利益の質は良好だが、短期のキャッシュアウトは成長投資ドリブンで、投資回収のタイミングがFCFの改善鍵。
配当性向(計算値)は125.7%と純利益ベースでは高水準で持続性に注意が必要(Q2累計・一時要因や年間配当ベースとのミスマッチの可能性を含む)。一方、営業CF対配当は約3.2倍でキャッシュベースの安全域は十分。FCFカバレッジは-0.28倍と投資主導で未充足であり、積極投資期はFCFが配当を下回る局面が続く可能性。現金及び同等物3,747.95億円と低レバレッジにより、短期的な配当継続余地は大きいが、中期的には投資規模・R&Dキャッシュアウト・非営業損益の平準化を踏まえた配当方針の再確認が必要。安定配当志向を維持しつつ、成長投資とのバランス(DOE目標未記載)を意識した資本配分が望ましい。
ビジネスリスク:
- ロイヤルティ・提携収入への依存度上昇による売上・利益の変動リスク
- 薬価改定・国別価格圧力によるマージン低下リスク
- 特許クリフ・ジェネリック参入による収益減少
- パイプラインの開発遅延・承認不確実性
- 製造・品質・供給チェーンのボトルネック発生
- 海外展開に伴う規制・市場アクセスの不確実性
- 為替変動による収益・評価差影響
財務リスク:
- 投資CFの大型化(-1,084.79億円)によるFCFのボラティリティ
- 非営業損益依存(税引前利益が営業利益を236.13億円上回る)に伴う利益変動
- 実効税率の低位からの正常化による純利益目減り
- 過大な現金保有に起因する資本効率低下(ROE抑制)
- 運転資本の非効率化によるキャッシュ創出力の毀損
主な懸念事項:
- FCFが-296.82億円と投資主導で赤字、投資回収の可視化が必要
- 配当性向(計算値)125.7%と利益ベースでの負担感
- R&D費未記載により成長投資の実態把握が不十分
- 非営業益の寄与度合いが高く、コア利益の持続性評価に不確実性
重要ポイント:
- 高マージン(営業利益率35.1%、EBITDAマージン39.9%)と軽レバレッジ(負債資本倍率0.12倍)で財務耐性は極めて高い
- ROE 5.8%は利益率主導だが、資産回転率0.132の低さがボトルネック
- 営業CF/純利益0.94倍と利益のキャッシュ化は良好だが、投資CF-1,084.79億円でFCFは-296.82億円
- 配当は営業CFで十分カバー可能も、FCFベースでは未充足(FCFカバレッジ-0.28倍)
- 税率低位・非営業益寄与で純利益が底上げされており、平準化時の下押しに留意
注視すべき指標:
- 売上成長率と営業利益率(マージンの維持・改善)
- 非営業損益の内訳(持分法、評価益、ロイヤルティ等)
- 実効税率の推移と平準化
- 営業CF/純利益、FCF、投資CFの内訳
- R&D費/売上高比率(未記載のため注記要)
- 在庫水準(654.77億円)の回転と運転資本効率
- 資本配分(配当・自社株買い・M&A)のバランス
- 為替(USD/JPYなど)感応度
セクター内ポジション:
国内大手製薬内で、極めて高い利益率と強固なバランスシートが強み。一方、資産回転率の低さによるROEの抑制、非営業損益・投資CF主導のFCFボラティリティが評価上のディスカウント要因となりやすい。
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