- 売上高: 8,135.90億円
- 営業利益: 279.37億円
- 当期純利益: 156.86億円
- 1株当たり当期純利益: 41.76円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 8,135.90億円 | 8,903.51億円 | -8.6% |
| 売上原価 | 6,993.30億円 | - | - |
| 売上総利益 | 1,910.21億円 | - | - |
| 販管費 | 1,437.42億円 | - | - |
| 営業利益 | 279.37億円 | 459.92億円 | -39.3% |
| 持分法投資損益 | 75.67億円 | - | - |
| 税引前利益 | 261.64億円 | 408.36億円 | -35.9% |
| 法人税等 | 134.40億円 | - | - |
| 当期純利益 | 156.86億円 | 273.96億円 | -42.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 78.43億円 | 222.29億円 | -64.7% |
| 包括利益 | 299.14億円 | 176.29億円 | +69.7% |
| 減価償却費 | 488.41億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 41.76円 | 116.90円 | -64.3% |
| 1株当たり配当金 | 75.00円 | 75.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 10,411.71億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 4,427.63億円 | - | - |
| 固定資産 | 11,127.82億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 6,230.97億円 | - | - |
| 総資産 | 21,001.63億円 | 21,539.53億円 | -537.90億円 |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 1,179.75億円 | - | - |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -482.57億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -1,044.71億円 | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 1,706.15億円 | - | - |
| フリーキャッシュフロー | 697.18億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 1.0% |
| 粗利益率 | 23.5% |
| 負債資本倍率 | 1.21倍 |
| EBITDAマージン | 9.4% |
| 実効税率 | 51.4% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -8.6% |
| 営業利益前年同期比 | -39.3% |
| 当期純利益前年同期比 | -42.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -64.7% |
| 包括利益前年同期比 | +69.7% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 200.84百万株 |
| 自己株式数 | 12.57百万株 |
| 期中平均株式数 | 187.81百万株 |
| 1株当たり純資産 | 5,187.13円 |
| EBITDA | 767.78億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 75.00円 |
| 期末配当 | 75.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 17,000.00億円 |
| 営業利益予想 | 950.00億円 |
| 当期純利益予想 | 650.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 550.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 146.25円 |
| 1株当たり配当金予想 | 37.50円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
三井化学の2026年度Q2は、売上高が8,135.90億円で前年比-8.6%、営業利益は279.37億円で前年比-39.3%と減収減益となり、数量・価格の双方で逆風が続いた四半期でした。当期純利益は78.43億円(-64.7%)に大幅縮小し、実効税率が51.4%まで上昇したことが純利益率(1.0%)の圧縮に拍車をかけています。粗利益率は23.5%と一定の粘りを示す一方、販管費率は17.7%(販管費1,437.42億円/売上)に上昇しており、営業利益率は3.4%に低下しました。EBITDAは767.78億円、EBITDAマージンは9.4%で、減価償却費(488.41億円)を考慮すると固定費負担と稼働率の低下が利益面で重荷となっています。デュポン分解では、純利益率1.0%、総資産回転率0.387、財務レバレッジ2.15倍からROEは0.8%にとどまり、収益性の低下が自己資本利益率を引き下げた主因です。税引前利益率は3.2%(261.64億円/8,135.90億円)で、税負担の増加により純利益への減衰が大きくなりました。他方、営業キャッシュフローは1,179.75億円と純利益の15.0倍に達し、キャッシュフローの質は良好です。投資キャッシュフローは-482.57億円(うち設備投資約-488.75億円)で、減価償却費とほぼ同水準のメンテナンス寄り投資とみられます。フリーキャッシュフローは697.18億円と潤沢で、財務キャッシュフローは-1,044.71億円(配当支払-133.09億円、自社株買い-0.18億円を含む)とバランスシートの引き締めを示唆します。総資産は21,001.63億円、純資産は9,765.94億円で自己資本比率は40.7%、負債資本倍率は1.21倍と、財務健全性は中庸から堅調の範囲です。現金及び現金同等物は1,706.15億円と厚めで、短期的な資金余力は十分と評価できます。棚卸資産は4,427.63億円と大きく、需要鈍化局面での在庫調整リスクは引き続き注視が必要です。営業外科目や利息費用の開示がなく、インタレストカバレッジやネット有利子負債等の重要指標の把握に制約がある点は留意点です。配当性向(計算値)は384.1%と高水準で、EPSの落ち込みが主因ですが、FCFベースの配当カバレッジは2.31倍と当期のキャッシュ創出力は配当を十分に賄っています。総合すると、収益性はマクロ・サイクルと原燃料スプレッドの悪化で圧迫される一方、キャッシュフローと財務体力が下支えする構図です。短期の利益トラフ局面からの正常化には、需要回復とスプレッド改善、税率の正常化が鍵になります。データ面では、流動負債や利息費用など未開示項目が多く、流動性・レバレッジの精緻な評価には限界がある点を明記します。
ROEのデュポン分解は以下の通り:純利益率1.0% × 総資産回転率0.387 × 財務レバレッジ2.15倍 = ROE 0.8%。純利益率の低さ(実効税率51.4%)が最大のボトルネックで、営業段階では営業利益率3.4%(279.37/8,135.90)と辛うじて黒字を確保。粗利率23.5%から販管費率17.7%を控除すると営業余力は限定的で、固定費吸収の弱さが表面化。EBITDAマージン9.4%と減価償却費比率6.0%(488.41/8,135.90)の組み合わせから、設備稼働率の低下が営業レバレッジを通じて利益にネガティブ。税前利益率3.2%に対し純利益率1.0%と、税・非支配持分・持分法影響を含めたボトムラインの落ち込みが顕著。総資産回転率0.387は化学セクターとしても低位で、在庫圧縮や設備稼働の改善余地が大きい。持分法投資益は75.67億円と税前利益の約29%を占め、事業外の寄与が相対的に大きい点も質の観点で留意。
売上は-8.6%と減速。数量・価格の両面で逆風、特に基礎化学領域のスプレッド縮小を示唆。営業利益は-39.3%と減益幅が大きく、営業レバレッジのマイナスが顕在化。EBITDA 767.78億円は売上減少に対し相対的に粘るが、構造的改善の示唆は限定的。税前ベースでは3.2%のマージンを確保するも、税率上振れで純利益が希薄化。中期の回復には、製品ミックス改善(高機能材料比率の引き上げ)、価格改定、在庫適正化が必須。持分法益の寄与が大きく、連結子会社・関連会社の収益安定性が短期の下支え。研究開発費の未開示により成長投資の強度評価は限定的。外部環境の改善(原燃料価格の安定、需要底入れ、海外景気の持ち直し)が売上・利益の回復ドライバー。今後数四半期は在庫の正常化と税率の平常化がEPS改善の主因となる見通し。
総資産21,001.63億円に対し純資産9,765.94億円で自己資本比率40.7%と健全域。負債資本倍率1.21倍は過度な財務リスクを示唆せず。現金同等物1,706.15億円により短期の流動性は厚め。流動資産10,411.71億円だが流動負債未開示のため流動比率・当座比率は算出不可(流動性詳細評価に制約)。棚卸資産4,427.63億円と大きく、在庫回転の鈍化が資金効率を圧迫している可能性。有利子負債・支払利息未開示のためネットデットや利払能力の正確な測定は不可。財務CFが-1,044.71億円と大きい点は、借入金返済または負債削減の進行を示唆し、資本構成の保守化に寄与している可能性。
営業CFは1,179.75億円で純利益78.43億円の15.0倍。減価償却費488.41億円の非現金性に加え、運転資本の解放が寄与した可能性が高い(内訳未開示)。投資CFは-482.57億円で、設備投資-488.75億円とほぼ一致し、維持更新中心。FCFは697.18億円と強く、収益水準に比してキャッシュ創出力が高い。営業CFとEBITDAの差は主に運転資本の変動と税・利息・その他雑収支と推定。現金同等物1,706.15億円と相まって、短期の投資・株主還元余力を確保。なお、開示上の「運転資本」10,411.71億円は流動資産額と一致しており、真の運転資本(流動資産−流動負債)は算出不可である点に留意。
計算上の配当性向は384.1%と高水準で、EPSの一時的低下が主因。FCFカバレッジは2.31倍(FCF697.18億円/配当支払133.09億円)とキャッシュベースでは十分に賄われている。自社株買いは0.18億円と軽微。安定配当志向を前提にすれば、利益サイクルの底でもCFで吸収可能だが、利益回復が遅延すると配当性向は高止まりとなるリスク。今後の持続可能性は、税率正常化と営業利益率の回復、在庫圧縮によるCF維持に依存。
ビジネスリスク:
- 原燃料価格(ナフサ等)と製品価格のスプレッド縮小
- 需要循環(自動車・建材・エレクトロニクスのサイクル)による数量ボラティリティ
- 在庫水準高止まりに伴う評価損・マージン圧迫リスク
- 高機能材の競争激化と価格下落圧力
- 税率の上振れ・税効果会計の変動による純利益の振れ
- 海外子会社・持分法投資先の業績変動
- 環境規制・脱炭素トランジションに伴う追加投資負担
財務リスク:
- 利息費用・有利子負債の未開示に伴うレバレッジ評価不確実性
- 在庫・売掛金の滞留による運転資本増加とCF変動
- 為替変動による評価差損益とキャッシュフロー影響
- 配当性向の高止まりが続いた場合の自己資本蓄積の遅れ
主な懸念事項:
- 営業利益率の低下と固定費吸収の悪化
- 実効税率の高止まりにより純利益が過度に圧縮
- 総資産回転率の低さ(0.387)と資産効率の課題
重要ポイント:
- ROEは0.8%まで低下し、主因は純利益率の低下(実効税率上振れと営業レバレッジ悪化)
- 営業CFは1,179.75億円、FCFは697.18億円とキャッシュ創出は堅調
- 設備投資は減価償却と同水準でメンテナンス色、財務CFはマイナスでレバレッジ低下を示唆
- 配当はEPSベースで高配当性向だが、FCFベースでは十分にカバー
- 棚卸資産が大きく、在庫回転改善が利益・CFの両面で鍵
注視すべき指標:
- 製品スプレッド(ナフサ連動の価格改定動向)
- 在庫回転日数と運転資本対売上比率
- 営業利益率・EBITDAマージンのトレンド
- 実効税率の正常化進捗
- 持分法投資益の持続性とボラティリティ
- ネットデット/EBITDA(有利子負債開示後)
- FCFの継続性と配当カバレッジ
セクター内ポジション:
国内総合化学の中で、2026年度上期はサイクル逆風により収益性が低位だが、自己資本比率約41%と十分なバッファ、強い営業CFで資金面の耐性は相対的に良好。高機能材の伸長が限定的なためミックス改善余地が残る。短期はボリューム・スプレッドの回復待ち、財務体質は同業平均以上の安定度。
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