- 売上高: 6.01億円
- 営業利益: -84百万円
- 当期純利益: -83百万円
- 1株当たり当期純利益: -30.53円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 6.01億円 | 5.23億円 | +14.9% |
| 売上原価 | 2.07億円 | - | - |
| 売上総利益 | 3.16億円 | - | - |
| 販管費 | 5.19億円 | - | - |
| 営業利益 | -84百万円 | -2.02億円 | +58.4% |
| 営業外収益 | 97万円 | - | - |
| 営業外費用 | 99万円 | - | - |
| 経常利益 | -82百万円 | -2.02億円 | +59.4% |
| 法人税等 | 40万円 | - | - |
| 当期純利益 | -83百万円 | -2.03億円 | +59.1% |
| 支払利息 | 44万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | -30.53円 | -75.15円 | +59.4% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 8.63億円 | - | - |
| 現金預金 | 7.35億円 | - | - |
| 売掛金 | 1.03億円 | - | - |
| 固定資産 | 1.62億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 3百万円 | - | - |
| 無形資産 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | -13.8% |
| 粗利益率 | 52.6% |
| 流動比率 | 689.9% |
| 当座比率 | 689.9% |
| 負債資本倍率 | 0.25倍 |
| インタレストカバレッジ | -189.19倍 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 2.73百万株 |
| 期中平均株式数 | 2.73百万株 |
| 1株当たり純資産 | 280.31円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 0.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 7.81億円 |
| 営業利益予想 | -2.22億円 |
| 経常利益予想 | -2.25億円 |
| 当期純利益予想 | -2.25億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | -82.94円 |
| 1株当たり配当金予想 | 0.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
かっこ株式会社(4166)の2025年度Q3(単体、JGAAP)は、売上高6.01億円(前年比+14.9%)と増収ながら、営業損失0.84億円、経常損失0.82億円、純損失0.83億円と赤字が継続した。粗利益は3.16億円、粗利益率は52.6%と高水準だが、販管費(推計)約4.00億円が粗利益を上回り営業赤字となっている。営業利益率は約-14.0%、純利益率は-13.8%で、増収が損失縮小につながっていない点が最大の課題である。総資産は9.45億円、純資産は7.66億円で自己資本性は厚く、負債合計1.93億円と財務の安全性は高い。流動資産8.63億円に対し流動負債1.25億円で流動比率は約690%と極めて潤沢な手元流動性を示す。総資産回転率0.636回、財務レバレッジ1.23倍により、デュポン分解上のROEは-10.84%と算出され、赤字が資本効率を大きく毀損している。経常的な支払利息は44.4万円にとどまり、有利子負債負担は軽微で、インタレストカバレッジは営業赤字のため名目上マイナスであるが、金利負担が業績の重石となっているわけではない。営業CF・投資CF・財務CF及び現金残高は未記載(0表示)であり、キャッシュフロー品質の精緻な評価はできない点は重要なデータ制約である。減価償却費も未記載(0表示)で、EBITDAは0と表記されるが、これは実額ゼロを意味しない可能性が高い。Q3累計での増収に対し営業損失は“前年比横ばい(+0.0%)”であり、粗利の伸長が販管費増にほぼ相殺されていると推察される。前期Q3売上は概算で約5.23億円(現Q3を14.9%成長で逆算)とみなすと、粗利率が大きく変わらない前提では販管費は約3.59億円から約4.00億円へと11〜12%程度増加した可能性がある。高粗利率モデルである一方、スケールメリット(営業レバレッジ)の顕在化には販管費の伸び抑制またはARPU/アップセルの強化が必要である。株主還元は無配(年0円、配当性向0%)で、現状の赤字・FCF未把握の下では妥当といえる。財務健全性は高く短期の支払能力に問題は見当たらないが、持続的黒字化とキャッシュ創出の可視化が中期評価の焦点となる。主な不確実性は、キャッシュフローの未開示、減価償却や設備投資水準の不明確さ、事業の顧客集中・受注モメンタムである。総じて、増収・高粗利率・強固な流動性というポジティブ要素はあるが、赤字継続と営業レバレッジ未発現が現時点の評価を制約する。
ROE分解: ROE(報告・計算ともに-10.84%)は、純利益率-13.81% × 総資産回転率0.636回 × 財務レバレッジ1.23倍の積で説明される。赤字による純利益率のマイナスが主因で、資産効率とレバレッジは中立〜若干低めの水準。
利益率の質: 粗利益率52.6%(粗利3.16億円/売上6.01億円)は同社のソフトウェア/サービス特性を反映し高い。一方、営業利益率-14.0%、経常利益率-13.6%、純利益率-13.8%と、販管費(約4.00億円=粗利3.16億円−営業損失▲0.84億円)が粗利を上回る構造。支払利息44.4万円は軽微で金融費用による悪化は限定的。
営業レバレッジ: 売上+14.9%にもかかわらず営業損失は前年比横ばい(▲0.84億円)で、販管費が粗利増分を概ね吸収。概算では販管費が前年対比で約11〜12%増。スケールメリット発現には、販管費成長率<粗利成長率の状態を複数四半期継続する必要。
売上持続可能性: Q3累計売上6.01億円、前年比+14.9%。価格改定、アップセル、導入社数の増加などが背景と想定。高粗利率を維持できており、売上の質は相対的に良好。
利益の質: 高粗利率にもかかわらず営業赤字が継続。リカーリング比率の高さが想定されるが(同社事業特性に基づく一般論)、現時点では販管費の伸びが先行し利益の平準性は確立途上。
見通し: 短期は販管費の伸長抑制と単価向上・解約率低下が鍵。中期は営業レバレッジ顕在化による黒字化が焦点。キャッシュフロー未記載のため、成長投資の余力や回収速度の精緻な評価は保留。
流動性: 流動資産8.63億円、流動負債1.25億円で流動比率約690%、当座比率も同水準(棚卸資産0)。運転資本は7.38億円と潤沢で、短期支払能力は極めて高い。
支払能力: 負債合計1.93億円に対し純資産7.66億円で負債資本倍率0.25倍。支払利息44.4万円、インタレストカバレッジは営業赤字のため名目上マイナスだが、実質的な金利負担は軽微。
資本構成: 総資産9.45億円、純資産7.66億円でレバレッジは低い(財務レバレッジ1.23倍)。自己資本比率は未記載(0表示)だが、数値から逆算すると約81%相当と推定され、資本の健全性は高い。
利益の質: 営業CF/純利益は未記載(0表示)で判定不可。損益は赤字だが、非現金費用(減価償却費)も未記載のため、会計利益とキャッシュ創出の連動性評価はできない。
FCF分析: フリーキャッシュフローは未記載(0表示)。投資CFの実額が不明で、設備投資・ソフトウェア資産計上の有無・水準を評価できない。
運転資本: 流動資産8.63億円、流動負債1.25億円でネット運転資本7.38億円。売上成長に伴う売掛増・前受の動向は不明だが、現状のバッファは厚い。キャッシュ残高が未記載である点は監視必須。
配当性向評価: 年間配当0円、配当性向0%。赤字継続のため内部留保優先は合理的。
FCFカバレッジ: FCF未記載のためカバレッジ評価不可。仮に将来配当を再開する場合、安定的な正の営業CFとFCFが前提。
配当方針見通し: 短中期は成長投資と黒字化の確立が優先。配当実施の現実味は、営業黒字転換・FCF安定化・現預金水準の明確化後に高まるとみる。
ビジネスリスク:
- 販管費先行による営業赤字継続リスク(営業レバレッジ未発現)
- 解約率上昇や大型顧客の契約更改失敗による売上鈍化リスク
- 新規獲得効率(CAC)悪化に伴う成長率低下と単価下押し
- 競争激化による価格下落・粗利率低下
- プロダクト品質・不正検知精度の劣化に伴うブランド毀損
- 人件費・開発投資の継続的増加に伴う固定費負担増
財務リスク:
- キャッシュフロー未記載に伴う資金消費速度・現金残高の不確実性
- 赤字継続に伴う将来的な資金調達ニーズの発生可能性
- 売上債権の回収遅延や与信コストの顕在化
- 金利上昇局面での調達コスト上昇(現状影響は軽微)
主な懸念事項:
- 営業黒字化のタイミングが見通せない点
- CF、減価償却、投資額が未記載でキャッシュ創出力の把握が困難
- 販管費の伸びが粗利成長を上回る傾向の可能性
重要ポイント:
- 売上は+14.9%と堅調だが、営業損失▲0.84億円が継続
- 粗利益率52.6%と高水準で事業の付加価値は高い
- 流動比率約690%、負債資本倍率0.25倍で財務健全性は高い
- 営業レバレッジ未発現でROEは-10.84%まで低下
- キャッシュフロー・減価償却の未記載によりCF品質評価は保留
注視すべき指標:
- ARR/リカーリング売上と解約率(チャーン)
- 販管費の伸び率と粗利成長率のギャップ
- 営業利益率・EBITDAマージンの四半期推移
- 現金及び現金同等物と営業CF(資金消費速度)
- AR回転日数/前受金の動向による運転資本効率
- 単価(ARPU)・アップセル率・新規獲得効率(CAC/LTV)
セクター内ポジション:
国内小型SaaS/デジタル・リスク領域の中では、高粗利率と高流動性は上位だが、営業赤字継続と営業レバレッジ未発現により収益性は相対的に見劣りする。
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