- 売上高: 11.84億円
- 営業利益: 1.39億円
- 当期純利益: 6万円
- 1株当たり当期純利益: -30.77円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 11.84億円 | 9.87億円 | +20.0% |
| 売上原価 | 5.81億円 | - | - |
| 売上総利益 | 4.06億円 | - | - |
| 販管費 | 3.87億円 | - | - |
| 営業利益 | 1.39億円 | 18百万円 | +672.2% |
| 営業外収益 | 2百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 1百万円 | - | - |
| 経常利益 | 1.38億円 | 19百万円 | +626.3% |
| 法人税等 | 19百万円 | - | - |
| 当期純利益 | 6万円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | -32百万円 | 0円 | - |
| 包括利益 | -32百万円 | 0円 | - |
| 減価償却費 | 90百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | -30.77円 | 0.06円 | -51383.3% |
| 1株当たり配当金 | 36.00円 | 0.00円 | - |
| 年間配当総額 | 36百万円 | 36百万円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 11.27億円 | - | - |
| 現金預金 | 7.62億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 25百万円 | - | - |
| 固定資産 | 8.03億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 7.56億円 | - | - |
| 無形資産 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 2.06億円 | 51百万円 | +1.55億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -59百万円 | -67百万円 | +8百万円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -36百万円 | -36百万円 | 0円 |
| フリーキャッシュフロー | 1.47億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 営業利益率 | 11.7% |
| 総資産経常利益率 | 7.3% |
| 配当性向 | 580.2% |
| 純資産配当率(DOE) | 2.1% |
| 1株当たり純資産 | 1,578.39円 |
| 純利益率 | -2.7% |
| 粗利益率 | 34.3% |
| 流動比率 | 546.0% |
| 当座比率 | 533.7% |
| 負債資本倍率 | 0.13倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +20.0% |
| 営業利益前年同期比 | +6.4% |
| 経常利益前年同期比 | +6.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 1.07百万株 |
| 自己株式数 | 30千株 |
| 期中平均株式数 | 1.04百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,578.13円 |
| EBITDA | 2.29億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 35.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 12.40億円 |
| 営業利益予想 | 1.40億円 |
| 経常利益予想 | 1.40億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 95百万円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 91.03円 |
| 1株当たり配当金予想 | 0.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
大阪油化工業(連結、JGAAP)の2025年度Q4決算は、売上高11.84億円(前年同期比+20.0%)と2桁成長を確保し、営業利益1.39億円(+642.1%)と大幅増益で営業段階の収益性が大きく改善した。一方、経常利益1.38億円から当期純利益は3,200万円の赤字へ転じ、最終損益は特別損失など非経常要因の影響が大きかったと推察される。粗利益率は34.3%と堅調で、EBITDAは2.29億円、EBITDAマージン19.4%と加工・受託精製系の中小型化学としては良好な収益力を示す。営業CFは2.06億円と営業利益を上回る水準で創出できており、投資CF▲0.59億円を差し引いたフリーCFは1.47億円の黒字とキャッシュ創出力は健全である。総資産18.62億円に対し負債は2.13億円と軽く、負債資本倍率0.13倍、流動比率546%、当座比率533.7%と流動性・支払能力は非常に高い。デュポン分析では純利益率▲2.70%、総資産回転率0.636回、財務レバレッジ1.13倍からROEは▲1.94%と最終損失を反映してマイナス。営業段階の改善と最終赤字の乖離は、非継続性の高い損失計上が主因である可能性が高い。売上+20%に対し営業利益+642%という伸びは高い営業レバレッジを示唆し、限界利益率の改善や固定費の吸収が進んだとみられる。棚卸資産は2,533万円と軽量で、在庫リスクは限定的。一方で、法人税等1,932万円の計上があるなかで最終赤字であることから、税効果のリサイクルや特別損失の発生タイミングなど会計上の要因が最終損益を圧迫したとみられる。営業CF/純利益は▲6.44倍と会計上の損失に対し実質キャッシュ創出が大きく、利益の質はキャッシュフロー面で裏付けられる。配当は年間0円、配当性向0%で、防御的な資本配分を継続。FCFが黒字であるため、損失が一過性であれば将来的な株主還元再開の余地は残る。自己資本比率は開示上0.0%とされているが、実質的には純資産16.47億円・負債2.13億円と強固な自己資本を有している。総じて、事業の基礎収益力とキャッシュ創出は改善しており、最終赤字のドライバー(特別損失等)の一過性・継続性の見極めが次期の焦点となる。今後は、受託精製案件の稼働率、価格改定の浸透、エネルギー・原材料コストの転嫁状況が持続的成長のカギとなろう。データ上の一部項目は不記載が含まれており(例:現金残高、株式数等)、評価は入手可能な非ゼロデータに基づく。
ROE分解(デュポン):純利益率▲2.70% × 総資産回転率0.636回 × 財務レバレッジ1.13倍 = ROE▲1.94%。営業利益率は11.7%(=1.39億円/11.84億円)と高水準で、粗利率34.3%とのギャップ約22.6ptは販管費・研究費・ユーティリティ等の固定費吸収が進んだことを示す。EBITDAマージン19.4%は加工受託型モデルとして良好で、減価償却費9,038万円を吸収した後も営業黒字を確保。経常利益1.38億円から当期純損失▲3,200万円への乖離は特別損失等の非営業損失が約1.7億円規模存在した可能性。営業レバレッジ:売上+20%(約1.97億円増)に対し営業利益は約1.20億円増と推定され、インクリメンタル営業利益率は約61%と高い。これは価格/ミックス改善や稼働率上昇による固定費逓減効果を示唆。利益率の質:営業段階は改善、最終段階は一過性損失で毀損の可能性が高く、来期の特別損益正常化でROE/純利益率の回復余地。
売上は11.84億円(+20.0%)と拡大。受託精製・高純度化学の需要回復、単価上昇、稼働率の改善が寄与した可能性。営業利益は1.39億円(+642.1%)と大幅改善で、限界利益率の上昇が示唆される。EBITDA成長(2.29億円)も強く、稼働率の持続が前提となる。利益の質は営業CF2.06億円が裏付け、FCF1.47億円の創出により成長投資余力を確保。見通しとしては、- 価格改定の継続・ミックス改善、- エネルギー・原材料コストの安定、- 新規受託案件の立ち上がりが成長ドライバー。最終損失の主因が一過性であるかの確認が来期EPS回復のキー。売上の持続可能性は受注残・設備稼働率の動向次第で、季節性・顧客集中のリスクには留意。
流動性は流動比率546%、当座比率533.7%と非常に厚い。運転資本は9.20億円と潤沢で、棚卸資産は2,533万円と軽量。在庫回転の健全性が示唆される。支払能力は負債資本倍率0.13倍、総負債2.13億円/純資産16.47億円で保守的な資本構成。支払利息は0円で、金利負担は事実上なし。総資産18.62億円に対し流動負債2.06億円と短期債務圧力は限定的。結果として財務のクッションは厚く、短期ショックへの耐性が高い。
利益の質:営業CF2.06億円に対し当期純損失▲3,200万円で、営業CF/純利益比率は▲6.44倍とキャッシュ創出が大幅に上回る。これは非現金要因(減価償却9,038万円等)や一過性損失の影響を示唆。FCFは1.47億円(営業CF2.06億円−投資CF0.59億円)と黒字で、売上対FCFマージンは約12.4%。運転資本:棚卸資産が小さく、運転資金需要は主に売掛/買掛の差分によるとみられる。営業CFマージンは約17.4%と高水準で、利益からキャッシュへの転換は良好。投資CFは▲0.59億円と抑制的で、維持更新中心の可能性が高い。
当期配当は0円、配当性向0%。当期は最終赤字であるため無配は財務健全性維持の観点で妥当。FCFは1.47億円の黒字で、将来的な還元原資は確保しつつあるが、まずは最終損益の黒字化・安定化が優先。FCFカバレッジは0.00倍(開示ロジック上)であり、現在は還元再開よりも内部留保蓄積・選択的投資に資金を振り向けやすい。今後の配当方針は、特別損益の正常化と安定的な営業CFの継続が確認できれば前向きに見直し余地。
ビジネスリスク:
- 顧客集中・案件依存による売上ボラティリティ
- 原材料・エネルギー価格の上昇および転嫁遅延
- 生産設備の稼働率変動(停止・メンテ影響含む)
- 品質・歩留まり問題や事故・環境対応コストの発生
- 新規受託案件の立上げ遅延・需要サイクルの変動(半導体・電子材料向け等)
- 規制強化(環境・安全)に伴う追加投資負担
- 為替変動による輸出入価格・競争力への影響
財務リスク:
- 特別損失の発生による最終損益のボラティリティ
- 税効果・評価性引当等の会計要因によるEPS変動
- 運転資金の回収サイト延伸によるキャッシュフロー圧迫
- 想定外の更新・保全投資の増加によるFCF減少
主な懸念事項:
- 営業黒字にもかかわらず最終赤字(約1.7億円規模の非経常損失が示唆)
- 成長の持続性(受注残・稼働率・価格改定の継続性)
- エネルギー・原材料コストの変動と価格転嫁のスピード
重要ポイント:
- 売上+20%に対し営業利益+642%で営業レバレッジが顕在化
- EBITDAマージン19.4%と収益力が改善
- 営業CF2.06億円、FCF1.47億円でキャッシュ創出は健全
- 負債資本倍率0.13倍・流動比率546%と強固なバランスシート
- 当期純損失は非経常要因の可能性が高く一過性かの見極めが重要
- 在庫水準が軽く資金効率は良好
注視すべき指標:
- 受注残・設備稼働率
- 製品ミックス・価格改定の進捗(単価・限界利益率)
- エネルギー・原材料コストと転嫁率
- 特別損益の内容・再発可能性
- 営業CFマージンと運転資本回転
- 投資CF(増設・更新)とFCFのバランス
- 税率・税効果会計の影響(EPSのブレ)
セクター内ポジション:
国内の受託精製・高純度化学の小型プレーヤー群の中で、同社は低レバレッジかつ高流動性という財務面の強みを有し、2025年度はEBITDAマージンが同業中小型平均を上回る水準へ改善。一方、最終損益のボラティリティは同業他社比で高く、特別損失の管理・抑制が競合優位の持続に不可欠。
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