- 売上高: 764.59億円
- 営業利益: 73.71億円
- 当期純利益: 7.63億円
- 1株当たり当期純利益: 147.66円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 764.59億円 | 745.22億円 | +2.6% |
| 売上原価 | 576.15億円 | - | - |
| 売上総利益 | 169.06億円 | - | - |
| 販管費 | 142.53億円 | - | - |
| 営業利益 | 73.71億円 | 26.53億円 | +177.8% |
| 営業外収益 | 17.66億円 | - | - |
| 営業外費用 | 19.33億円 | - | - |
| 経常利益 | 85.01億円 | 24.86億円 | +242.0% |
| 法人税等 | 15.80億円 | - | - |
| 当期純利益 | 7.63億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 56.49億円 | 7.27億円 | +677.0% |
| 包括利益 | 58.32億円 | 28.95億円 | +101.5% |
| 支払利息 | 3.63億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 147.66円 | 19.03円 | +675.9% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,548.30億円 | - | - |
| 現金預金 | 249.48億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 492.48億円 | - | - |
| 固定資産 | 702.67億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 465.79億円 | - | - |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 182.45億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -75.87億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 7.4% |
| 粗利益率 | 22.1% |
| 流動比率 | 331.8% |
| 当座比率 | 226.2% |
| 負債資本倍率 | 0.94倍 |
| インタレストカバレッジ | 20.31倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +2.6% |
| 営業利益前年同期比 | +1.8% |
| 経常利益前年同期比 | +2.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +6.8% |
| 包括利益前年同期比 | +1.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 40.38百万株 |
| 自己株式数 | 2.13百万株 |
| 期中平均株式数 | 38.26百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,063.58円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 85.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| InorganicChemistry | 330.08億円 | 36.99億円 |
| OrganicChemistry | 0円 | 57.56億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 1,520.00億円 |
| 営業利益予想 | 160.00億円 |
| 経常利益予想 | 164.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 122.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 318.90円 |
| 1株当たり配当金予想 | 70.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
石原産業(4028)の2026年度Q2(累計)連結決算は、売上高76,459百万円(前年同期比+2.6%)とトップラインは緩やかな伸長に留まる一方、営業利益7,371百万円(同+177.8%)、経常利益8,501百万円、当期純利益5,649百万円(同+676.9%)と大幅な増益を達成した。売上総利益16,906百万円、粗利率22.1%に対し営業利益率は9.6%と、販管費の伸びを抑制しながら価格改定・コスト低減によるマージン拡大が進んだとみられる。デュポン分析では、純利益率7.39%、総資産回転率0.320回、財務レバレッジ2.04倍の積でROEは4.82%を示し、収益性と効率性の両面の改善がROEに寄与した。営業CFは18,245百万円と純利益の3.23倍へ大幅に上振れし、利益のキャッシュ創出力は高い。流動資産154,830百万円、流動負債46,667百万円で流動比率331.8%、当座比率226.2%と、短期流動性は非常に厚い。総資産238,808百万円、純資産117,198百万円から算出される自己資本比率は約49.1%(当社試算)で、財務安全性は良好である。インタレストカバレッジは20.3倍と金利負担耐性も十分だ。売上は+2.6%と控えめだが、営業利益が+177.8%と大幅伸長しており、強い営業レバレッジが確認できる。これは主力の二酸化チタン(TiO2)や農薬関連での価格/ミックス改善、原材料・エネルギーコストの低下、操業安定化による固定費吸収の改善が主因の可能性が高い。棚卸資産は49,248百万円で流動資産の約31.8%を占め、在庫水準は一定の負荷要因だが、運転資本は108,163百万円と潤沢で資金繰りの余裕は大きい。配当は現時点で年間配当・配当性向が未開示で、還元方針の確認が必要である。投資CFや減価償却費が未開示のため、EBITDAやフリーCFの正確な把握はできない一方、営業CFの強さから内生的な投資余力は高いと評価できる。化学市況、特にTiO2市況と為替(円安)は収益に与える影響が大きく、下期の持続性を見極める必要がある。総じて、マージン回復と強固な流動性・健全なレバレッジにより財務体質は良好で、サイクルのモメンタムが当面の収益ドライバーとなる。データ未開示項目が多く、資本的支出や減価償却を前提とする分析には制約があるため、今後の開示で補完が望まれる。
ROE分解(デュポン): 純利益率7.39% × 総資産回転率0.320回 × 財務レバレッジ2.04倍 = ROE 4.82%。営業利益率は9.64%(= 7,371百万円 / 76,459百万円)で、前年から大幅に改善(営業利益+177.8%)。経常利益率は11.12%(= 8,501/76,459)で、営業外収支(利息や為替差等)の寄与もプラスと推測される。粗利率22.1%に対し、販管費は概算で9,535百万円(= 売上総利益16,906 − 営業利益7,371)と、売上比12.5%程度に抑制。営業レバレッジは高く、売上+2.6%に対し営業利益+177.8%の伸びは価格・ミックスと固定費吸収の改善の相乗効果を示唆。金利負担は支払利息363百万円に対し、インタレストカバレッジ20.3倍と十分な余裕。純利益率の改善によりROEが押し上げられているが、総資産回転率0.320回は化学業界平均比で中庸〜やや低めで、今後の効率改善(在庫回転・固定資産回転)が課題。
売上高は+2.6%と緩やかで、数量面の伸びは限定的とみられる一方、価格改定・製品ミックス改善が収益に寄与。TiO2や農薬の市況感改善、エネルギー・原材料コストの低下がマージン拡大を後押しした可能性。利益の質は、営業CF/純利益=3.23倍と高く、実需/回収の伴う成長が示唆される。下期の持続性は、TiO2国際価格、原料イルメナイト価格、為替(USD/JPY)、および海外需要(建材・自動車塗料向け)の動向に左右される。棚卸水準は49,248百万円と大きく、在庫調整局面では売上・マージンの逆風リスク。短期的には高水準のマージン維持が見込まれる一方、中期的には市況サイクルの反転やコスト再上昇がボラティリティ要因。
流動性は、流動比率331.8%、当座比率226.2%、運転資本108,163百万円と非常に強固。負債合計110,648百万円、純資産117,198百万円で負債資本倍率0.94倍と保守的。自己資本比率は当社試算で約49.1%(= 117,198 / 238,808)と健全水準。支払利息363百万円に対し、営業利益7,371百万円、経常利益8,501百万円で金利耐性は高い。財務CFは▲7,587百万円と資本/負債関連の資金流出超(借入返済等)を示唆し、レバレッジの低下に寄与している可能性。手元流動性の正確な把握(現金等)は未開示だが、営業CFの潤沢さが資金繰りを補完。
営業CF18,245百万円は純利益5,649百万円の3.23倍で、利益の現金化は極めて良好。これは運転資本の改善(売上債権回収・在庫圧縮等)や非現金費用の存在が示唆される。投資CF・減価償却費・EBITDAが未開示のため、正確なフリーCFや投下資本回収の評価は困難。一般論として化学メーカーの維持更新CAPEXは売上比3–6%程度が多いが、本分析では仮定に留める。営業CFの強さと財務CFのマイナス(返済等)から、内部資金での成長投資・債務削減余地は高い。運転資本面では棚卸資産49,248百万円が大きく、在庫回転日数の最適化が引き続きキャッシュ創出の鍵。
年間配当・配当性向・FCFカバレッジは現時点未開示。EPSは147.66円、純利益5,649百万円と利益水準は改善しており、内部留保の積み上がりが自己資本の厚みを増す見込み。投資CFやCAPEX水準の把握ができないため、FCFベースの配当余力の厳密評価は困難。短期的には営業CFの強さが株主還元の原資となり得るが、サイクル敏感な収益構造である点と在庫・市況の変動を踏まえ、安定配当には中期の収益平準化策(価格・コスト・製品ポートフォリオ多様化)の進捗が鍵。
ビジネスリスク:
- TiO2国際価格の変動(販売価格・マージンへの直接影響)
- 原料イルメナイト・エネルギー価格の上昇
- 為替(USD/JPY, EUR/JPY)変動による収益影響
- 中国・中東の供給動向による市況圧力
- 主要需要分野(建材、塗料、自動車)の需要サイクル
- 環境規制・排出規制対応コストの増加
- 設備稼働率の変動と固定費吸収の悪化
- 製品品質・安全に関するコンプライアンスリスク
財務リスク:
- 在庫水準の上振れによる運転資本負担
- 金利上昇局面での資金調達コスト増(ただし現状カバレッジは高い)
- CAPEX増加時のフリーCF圧迫(投資CF未開示につき不確実性)
- 為替ヘッジの効果不十分時の損益変動
主な懸念事項:
- 投資CF・減価償却費未開示によりFCFと資本効率の精緻評価ができない
- 棚卸資産49,248百万円の水準と回転の動向
- 市況反転時のマージン持続性と価格転嫁力
重要ポイント:
- 売上+2.6%に対し営業利益+177.8%と高い営業レバレッジが顕在化
- 営業利益率9.6%、経常利益率11.1%、純利益率7.39%へマージン大幅改善
- 営業CF/純利益3.23倍で利益の現金化が非常に良好
- 流動比率332%、自己資本比率約49%(試算)と財務健全性は高い
- インタレストカバレッジ20.3倍で金利耐性に余裕
- 在庫水準が高く、回転改善が次のCFドライバー
- 市況(TiO2、原料、為替)次第でボラティリティが大きい
注視すべき指標:
- TiO2販売価格指数と製品ミックス
- 原料イルメナイト・エネルギー価格の動向
- 為替(USD/JPY)と為替感応度
- 在庫回転日数・売上債権回転日数
- 営業CF/純利益の継続性
- CAPEX計画・投資CF(更新・増設の内訳)
- 通期ガイダンスのマージン前提と進捗率
- 経常利益率・ROEの推移
セクター内ポジション:
国内化学中堅の中では、今期上期はマージン回復と強固な流動性で相対的に良好なポジショニング。もっとも、TiO2を中心とするサイクル感応度は同業平均並みに高く、市況反転時の業績弾性は大きい。
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