- 売上高: 46.50億円
- 営業利益: 95百万円
- 当期純利益: -3.18億円
- 1株当たり当期純利益: 1.46円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 46.50億円 | 41.25億円 | +12.7% |
| 売上原価 | 10.71億円 | - | - |
| 売上総利益 | 30.55億円 | - | - |
| 販管費 | 31.96億円 | - | - |
| 営業利益 | 95百万円 | -1.40億円 | +167.9% |
| 営業外収益 | 2百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 91百万円 | - | - |
| 経常利益 | 1.06億円 | -2.29億円 | +146.3% |
| 法人税等 | -39百万円 | - | - |
| 当期純利益 | -3.18億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 55百万円 | -3.14億円 | +117.5% |
| 包括利益 | 62百万円 | -2.80億円 | +122.1% |
| 1株当たり当期純利益 | 1.46円 | -8.24円 | +117.7% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 31.11億円 | - | - |
| 現金預金 | 13.47億円 | - | - |
| 固定資産 | 16.38億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 2.38億円 | - | - |
| 無形資産 | 65百万円 | - | - |
| のれん |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 1.2% |
| 粗利益率 | 65.7% |
| 流動比率 | 216.3% |
| 当座比率 | 216.3% |
| 負債資本倍率 | 0.55倍 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 40.03百万株 |
| 自己株式数 | 2.17百万株 |
| 期中平均株式数 | 37.86百万株 |
| 1株当たり純資産 | 76.53円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 6.50円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 68.60億円 |
| 営業利益予想 | 4.90億円 |
| 経常利益予想 | 5.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 2.70億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 7.13円 |
| 1株当たり配当金予想 | 9.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
メディカル・データ・ビジョン(MDV)2025年度Q3(連結、JGAAP)は、売上高46.5億円(前年同期比+12.7%)と2桁増収を維持する一方、営業利益は0.95億円で前年並みと増益に至らず、実質的に営業レバレッジが効かなかった四半期でした。粗利益は30.55億円で粗利率65.7%と高水準を確保し、データ/ソフトウェア型ビジネスとしての収益性ポテンシャルは維持されていますが、販売費及び一般管理費(推計)29.60億円が重く、営業利益率は2.0%にとどまりました。経常利益は1.06億円、当期純利益は0.55億円で、純利益率は1.18%と低水準です。税金等は-0.39億円(税負担軽減・税効果計上の可能性)で実効税率は一時的にマイナス方向へ振れたとみられます。デュポン分析では、純利益率1.18%、総資産回転率1.014回、財務レバレッジ1.58倍から計算ROEは1.90%で、報告ROEと一致します。総資産45.86億円、純資産28.97億円から算出される実質的な自己資本比率は約63.2%と健全(注:自己資本比率0.0%の表示は不記載項目を示唆)で、負債資本倍率0.55倍も保守的な資本構成を示します。流動資産31.11億円、流動負債14.39億円により流動比率216%・当座比率216%と、短期の支払余力は十分です。運転資本は16.73億円で売上高比36%程度と厚めで、売上成長の裏で運転資本需要もやや膨らんでいる可能性があります。営業CF・投資CF・財務CF・現金残高等は不記載(0表示)であり、キャッシュフロー品質や資金余力の定量評価には制約があります。EPSは1.46円で、当期純利益0.55億円からの概算では発行済株式数は約3,767万株と推計されます(参考値)。配当は年0円、配当性向0%で内部留保・投資優先の方針を示唆します。営業利益が横ばいにとどまった背景としては、開発・人員・販売関連の成長投資や人件費・クラウド関連コストの上昇が示唆されます。粗利率が高く固定費比率が大きいビジネス構造から、トップラインの加速が続けば中期的には営業レバレッジが改善する余地があります。資本構成は健全な一方、足元の利益水準が低いため、ROE/ROAは1〜2%台にとどまり資本効率はなお改善余地が大きいです。全体として、売上は順調だが費用先行で利益が伸び悩む局面であり、今後はSG&Aの伸び抑制、価格戦略の最適化、ならびに運転資本・キャッシュ創出力の可視化が重要な論点となります。なお、キャッシュフロー、減価償却、金利負担、発行株式数などの主要項目が不記載であるため、キャッシュフロー品質や資本配分の精緻な評価には限界がある点に留意が必要です。
ROE分解: ROE=純利益率(1.18%)×総資産回転率(1.014回)×財務レバレッジ(1.58倍)=約1.90%。低ROEの主因は純利益率の低さであり、回転率は1.0回と中庸、レバレッジも抑制的。
利益率の質: 粗利率65.7%(30.55億円/46.5億円)は同業SaaS/データプラットフォーム型として良好。営業利益率は2.0%(0.95億円/46.5億円)と低く、SG&Aの伸長が利益を圧迫。純利益率1.18%は税効果による下支えが示唆され、コア収益力は営業段階の低さに表れる。
営業レバレッジ: 売上+12.7%にもかかわらず営業利益は横ばい(0.95億円)で、短期的には負のレバレッジ。固定費(人件費・開発・販売費・クラウド/データ取得費等)の先行投資が重い構造。トップライン加速または単価改善が実現すればレバレッジ反転の余地。
売上持続可能性: 2桁成長(+12.7%)を継続。医療データ需要の構造的拡大、顧客基盤の拡大、提供データセットの拡充により持続可能性は相応。ただし更新・解約動向や価格改定耐性の検証が必要。
利益の質: 粗利率は高く成長余地がある一方、SG&A率は約63.7%((粗利30.55億円−営業益0.95億円)/売上46.5億円)と高止まり。短期的には費用先行局面で利益の伸びは限定的。
見通し: 中期的にはARR/契約更新の積み上げとスケールメリットで営業益率の改善余地。価格戦略最適化、クラウドコスト効率化、人員生産性向上が鍵。税効果の特殊要因が剥落すると当期純利益は変動し得る点に注意。
流動性: 流動資産31.11億円、流動負債14.39億円で流動比率216%、当座比率216%。運転資本16.73億円と厚く、短期支払能力は高い。
支払能力: 総負債15.95億円、純資産28.97億円。負債資本倍率0.55倍、実質自己資本比率約63.2%(=28.97/45.86)。利払い情報は不記載だが、構造的にレバレッジは低い。
資本構成: 保守的なエクイティ主導。現時点の低ROE/ROA(ROA約1.2%)は過剰なレバレッジ欠如ではなく利益率の課題を示唆。
利益の質: 営業CF、投資CF、財務CF、現金残高が不記載(0表示)。営業CF/純利益やFCFによる利益の現金裏付けを検証できず、利益の質評価は限定的。
FCF分析: フリーキャッシュフローは算出不可。減価償却・設備投資・ソフトウェア資産計上の有無が不明で、実質FCFの持続性評価に制約。
運転資本: 運転資本は16.73億円(売上比36%)。売上成長に伴う売上債権の積み上がりや前受金の動向がCFに与える影響を注視する必要。
配当性向評価: 年間配当0円、配当性向0%。利益規模や投資優先の方針から内部留保重視と解釈される。
FCFカバレッジ: CF情報が不記載のため算出不可。ただし現状は無配のためキャッシュ流出圧力は限定的。
配当方針見通し: 成長投資継続と利益率改善が先行課題。中期的に営業利益率・FCFの改善が確認されれば、将来的な還元余地は生じ得るが現段階では判断保留。
ビジネスリスク:
- 医療データ利活用に関する規制変更・個人情報保護強化による事業制約
- 主要顧客(医療機関・製薬会社等)への依存度と契約更新・価格改定リスク
- サイバーセキュリティ・データ漏洩リスク
- クラウド/データ取得コスト上昇による粗利率圧迫
- 人材確保・人件費上昇によるSG&A負担増
- 新機能・新プロダクトの開発遅延による成長鈍化
- 競争激化(国内外ヘルスデータ/アナリティクス企業)による単価・シェア圧力
財務リスク:
- 営業CFの不透明性(CF不記載によりキャッシュ創出力の実態把握が困難)
- 運転資本の膨張(売上債権増加)によるキャッシュフロー圧迫リスク
- 税効果の一過性反転(繰延税金資産の取り崩し等)による純利益変動
- 資本的支出・ソフトウェア資産計上の水準次第でのFCF低下リスク
主な懸念事項:
- 売上2桁成長にもかかわらず営業利益が横ばいの点(費用先行)
- CF・減価償却・金利等の主要開示が不記載で品質評価が困難
- ROE/ROAの低位推移による資本効率の課題
重要ポイント:
- 売上は+12.7%と着実、粗利率65.7%で収益ポテンシャルは高い
- 営業利益率2.0%と低く、SG&A率が重い構造で短期は負の営業レバレッジ
- 資本構成は健全(実質自己資本比率約63%)、流動性も十分
- 税効果による一過性の純利益下支えの可能性
- CF不記載によりキャッシュ創出力の検証が未了
注視すべき指標:
- 営業利益率・EBITDAマージン(四半期推移)
- SG&A率(人件費・クラウド費用・販売費の内訳)
- ARR/解約率・契約単価(価格改定の進捗)
- 営業CFマージン・フリーCF・売上債権回転日数
- 前受金・契約負債の動向(先行受領の有無)
- 税効果・有効税率の正常化
- 自己資本比率・ネットキャッシュの推移
セクター内ポジション:
国内のデータ/ヘルスケアSaaS系同業と比べて粗利率は遜色ない一方、営業利益率は低位。資本構成は保守的で、成長投資先行による利益抑制が相対的な特徴。売上規模拡大が継続すれば、固定費吸収による利益率改善の余地は同業平均並みに到達可能。
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