- 売上高: 5,934.24億円
- 営業利益: 463.58億円
- 当期純利益: 466.08億円
- 1株当たり当期純利益: 71.35円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 5,934.24億円 | 6,148.34億円 | -3.5% |
| 売上原価 | 4,072.64億円 | - | - |
| 売上総利益 | 2,075.70億円 | - | - |
| 販管費 | 1,336.47億円 | - | - |
| 営業利益 | 463.58億円 | 739.23億円 | -37.3% |
| 営業外収益 | 48.00億円 | - | - |
| 営業外費用 | 83.81億円 | - | - |
| 経常利益 | 400.89億円 | 703.41億円 | -43.0% |
| 法人税等 | 185.93億円 | - | - |
| 当期純利益 | 466.08億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 227.84億円 | 466.34億円 | -51.1% |
| 包括利益 | 91.03億円 | 515.98億円 | -82.4% |
| 支払利息 | 20.82億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 71.35円 | 140.83円 | -49.3% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 71.31円 | 140.73円 | -49.3% |
| 1株当たり配当金 | 27.00円 | 27.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 5,652.62億円 | - | - |
| 現金預金 | 1,180.68億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 1,704.89億円 | - | - |
| 固定資産 | 7,259.75億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 5,403.85億円 | - | - |
|
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 3.8% |
| 粗利益率 | 35.0% |
| 流動比率 | 285.2% |
| 当座比率 | 199.1% |
| 負債資本倍率 | 0.68倍 |
| インタレストカバレッジ | 22.27倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -3.5% |
| 営業利益前年同期比 | -37.3% |
| 経常利益前年同期比 | -43.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -51.1% |
| 包括利益前年同期比 | -82.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 324.86百万株 |
| 自己株式数 | 16.79百万株 |
| 期中平均株式数 | 319.32百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,417.72円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 27.00円 |
| 期末配当 | 27.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| FibersAndTextiles | 31.16億円 | 12.95億円 |
| FunctionalMaterials | 34.76億円 | 63.21億円 |
| Isoprene | 136.64億円 | -21.78億円 |
| Trading | 9.58億円 | 42.25億円 |
| VinylAcetate | 136.58億円 | 485.60億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 8,100.00億円 |
| 営業利益予想 | 600.00億円 |
| 経常利益予想 | 530.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 230.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 74.66円 |
| 1株当たり配当金予想 | 27.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
クラレ(3405)の2025年度Q3累計は、売上高5,934億円(前年比-3.5%)、営業利益463億円(-37.3%)、当期純利益228億円(-51.1%)と、トップラインの減速に加え大幅な利益率悪化が確認されました。営業利益率は7.8%(前年同期比で大幅低下推定)、経常利益率は6.8%、純利益率は3.84%にとどまり、原材料・エネルギーコスト高や販売数量軟化、価格ミックスの逆風が示唆されます。デュポン分析では、純利益率3.84%、総資産回転率0.459回、財務レバレッジ1.74倍からROEは3.06%と低位で、収益性の低下がROEを圧迫しています。総資産1兆2,940億円、純資産7,448億円から算出する実効的な自己資本比率は約57.6%とみられ、財務の安全性は高水準です(公表値の「0.0%」は不記載扱い)。流動比率285%、当座比率199%と流動性も厚く、短期資金繰り耐性は十分です。一方、棚卸資産は1,705億円に達し、期末残高ベースの在庫回転は約2.4回(在庫日数約153日)と重めで、需要鈍化局面での在庫調整進展が次四半期以降の利益・キャッシュ創出に影響します。インタレストカバレッジは22.3倍と高く、有利子負債の負担は抑制的です。税金費用は185億円計上され、当社推計の実効税率は約45%(前提に不確実性あり)とみられ、税負担も純利益下押し要因となりました。営業CF、投資CF、財務CF、減価償却費、現金同等物、EBITDAなどは不記載であり、キャッシュフロー品質や投資余力の定量評価には限界があります。EPSは71.35円である一方、発行済株式数・1株当たり純資産は不記載のため、時価評価やバリュエーション指標の整合的算定は困難です。売上の減収幅(-3.5%)に比し営業利益の落ち込み(-37.3%)が大きく、営業レバレッジが負の方向に作用していることが示唆されます。原材料価格や販売価格改定のスプレッド、数量回復の遅れ、固定費吸収の悪化が主要因とみられます。財務健全性は高いものの、利益率回復と在庫適正化、キャッシュ創出の可視性向上が当面の重要課題です。フリーキャッシュフローは不記載のため評価不能で、配当データも不記載(年間配当0円、配当性向0%は不記載扱い)である点に留意が必要です。今後は、数量ボトムアウトの確認、価格スプレッドの改善、在庫圧縮による運転資本効率化が収益・ROE回復のカギです。為替動向、エネルギー・モノマー価格、主力樹脂・機能材料の需要動向が来期の利益見通しに与える影響も大きいと考えます。総じて、短期的な収益プレッシャーは残るものの、強固なバランスシートが下方耐性を提供しており、利益率の底打ちとキャッシュフローの可視化が評価改善のトリガーになり得ます。なお、本分析は不記載項目が多く、キャッシュフローや減価償却費、配当政策の定量的評価に制約がある点を明記します。
ROEは3.06%で、デュポン分解は純利益率3.84% × 総資産回転率0.459回 × 財務レバレッジ1.74倍で説明されます。構成要素の中では純利益率の低下が主要な下押し要因で、総資産回転率も0.46回と効率性面に伸び代があります。売上総利益率は35.0%と一定の粗利は確保している一方、営業利益率は7.8%にとどまり、販管費・固定費の吸収不足ないし価格スプレッド縮小が示唆されます。経常利益率6.8%と営業外負担(支払利息20.8億円等)の影響は限定的で、コアのマージン低下が主因です。営業レバレッジは、売上-3.5%に対し営業利益-37.3%と感応度が高く、固定費比率の高さや数量減の影響が大きいと推察されます。ROAは1.76%(= 228億円 / 1兆2,940億円)と低水準で、資産効率と利益率の双方に課題があります。純利益率低下の背景として、原材料・エネルギーコスト高、価格競争、在庫評価影響、地域/製品ミックス変化が想定されます。今後のマージン回復には、価格最適化、コストダウン、ポートフォリオの高付加価値化、稼働率改善が必要です。
売上高は-3.5%と小幅減収である一方、営業利益は-37.3%と大幅減益で、サイクル後退局面の影響を示唆します。数量面の弱さと価格スプレッドの縮小が同時進行した可能性が高く、売上の質は低下しています。純利益は-51.1%と税負担等も加わり大きく減少しました。短期の成長持続性は外部需要(自動車、包装、建材、電子材料等)と原材料価格に左右されやすく、内生的な改善には生産性向上と製品ミックス高度化が求められます。期末在庫が重いことから、在庫調整が売上・利益に短期的な抑制要因となる可能性があります。他方、財務体力は強固で、景気回復局面では稼働率改善が利益回復にレバレッジしやすい構造です。通期に向けた見通しは、為替(円安は外貨建て売上に追い風)と原材料価格の落ち着きがプラス要因となる一方、需要回復のタイミング不透明感が残ります。営業外収支や特別要因の影響は限定的とみられ、コア事業の利益改善が鍵です。
総資産1兆2,940億円、純資産7,448億円、負債5,094億円と、実質的な自己資本比率は約57.6%と堅固です(公表自己資本比率0.0%は不記載)。流動資産5,652億円、流動負債1,982億円から、流動比率285%、当座比率199%で短期の支払能力は高い水準です。負債資本倍率0.68倍とレバレッジは抑制的で、金利上昇耐性も相対的に高いと評価できます。インタレストカバレッジは22.3倍と良好で、支払利息(20.8億円)の負担は軽微です。棚卸資産は1,705億円と高水準で、在庫回転2.39回(期末ベース、COGS 4,072億円)・在庫日数約153日は効率性改善余地を示します。ネット有利子負債・現金等は不記載のため、正味レバレッジの精緻な評価は不可です。
営業CF、投資CF、財務CF、減価償却費、EBITDAはいずれも不記載で、営業CF/純利益比率0.00やEBITDAマージン0.0%は未開示由来です。したがって、会計利益とキャッシュ創出の乖離、FCF創出力の定量評価は現時点でできません。一般論として、在庫積み上がりは運転資本を圧迫し営業CFを弱める傾向があるため、在庫圧縮が進めば営業CFの回復余地があります。フリーキャッシュフロー(FCF)も未開示で、設備投資(CapEx)水準や減価償却費の規模が不明なため、維持投資後の余剰キャッシュの持続性評価は困難です。今後は、営業CFの黒字転換・安定性、運転資本回転の改善(特に在庫回転の向上)、CapExとD&Aのバランスに注目が必要です。
年間配当、配当性向、FCFカバレッジは不記載(0表示は未開示)であり、定量的な配当持続性評価はできません。EPSは71.35円で、利益水準は黒字を維持しているものの、減益幅が大きく配当余力の評価にはFCF情報が不可欠です。強固な自己資本と低レバレッジは配当の下支え要因ですが、キャッシュ創出力の確認が伴わない限り、配当方針の見通しは判断保留とせざるを得ません。今後は、営業CFとFCFの実績、ネット有利子負債の動向、在庫圧縮の進捗をもって配当の持続可能性を検証する必要があります。
ビジネスリスク:
- 需要サイクル悪化(自動車、包装、建材、電子材料向け)による数量・稼働率低下
- 原材料・エネルギー価格上昇による価格スプレッドの圧迫
- 在庫高止まりによる追加値引き・評価損・キャッシュ拘束
- 為替変動(円高転換時の採算悪化)
- 競合の価格攻勢や代替素材の台頭によるマージン低下
- 環境規制強化や脱炭素対応コストの増加
財務リスク:
- キャッシュフロー未開示に伴う資金繰り可視性の低下
- 減価償却費・CapEx未開示によるFCF持続性評価の不確実性
- 在庫過多による運転資本膨張と営業CF圧迫の継続
- 金利上昇局面での資金調達コスト上振れ(絶対水準は限定的)
主な懸念事項:
- 営業レバレッジの高さに起因する利益感応度の増幅
- 粗利維持にもかかわらず営業利益率が低下している点
- 在庫回転の鈍化とキャッシュ創出力の不透明感
- 不記載項目の多さによる投資判断に必要な情報の欠落
重要ポイント:
- 売上は-3.5%ながら営業利益-37.3%・純利益-51.1%とマージン悪化が顕著
- ROEは3.06%と低位で、純利益率と資産効率の改善が必要
- 自己資本比率は実質約57.6%、流動比率285%と財務基盤は強固
- 在庫日数約153日と重く、運転資本の正常化が短期の最重要テーマ
- キャッシュフロー・減価償却・配当は未開示で、FCFと配当余力の評価に制約
注視すべき指標:
- 営業利益率とセグメントマージンの回復度合い
- 在庫回転(在庫日数)と運転資本回転日数の改善
- 営業CF・FCFの黒字幅と持続性
- 原材料・エネルギー価格と販売価格スプレッド
- 為替(円相場)動向と外需の回復指標
- CapExと減価償却費の水準(更新投資と成長投資の内訳)
セクター内ポジション:
同業国内化学・素材セクターの中で財務健全性は上位だが、現局面では収益性とキャッシュ創出の可視性で見劣り。需要回復時のレバレッジ感度は高い一方、在庫是正とスプレッド改善の確認が相対的評価の鍵。
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