- 売上高: 621.47億円
- 営業利益: 56.44億円
- 当期純利益: -99.74億円
- 1株当たり当期純利益: -60.49円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 621.47億円 | 615.50億円 | +1.0% |
| 売上原価 | 492.47億円 | - | - |
| 売上総利益 | 123.03億円 | - | - |
| 販管費 | 100.69億円 | - | - |
| 営業利益 | 56.44億円 | 22.33億円 | +152.8% |
| 営業外収益 | 8.31億円 | - | - |
| 営業外費用 | 19.14億円 | - | - |
| 経常利益 | 48.28億円 | 11.51億円 | +319.5% |
| 法人税等 | 3.87億円 | - | - |
| 当期純利益 | -99.74億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | -34.87億円 | -98.42億円 | +64.6% |
| 包括利益 | -41.14億円 | -76.39億円 | +46.1% |
| 減価償却費 | 27.38億円 | - | - |
| 支払利息 | 6.41億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | -60.49円 | -170.71円 | +64.6% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 752.77億円 | - | - |
| 現金預金 | 135.01億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 341.96億円 | - | - |
| 固定資産 | 741.52億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 675.74億円 | - | - |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 49.14億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -2.18億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | -5.6% |
| 粗利益率 | 19.8% |
| 流動比率 | 64.8% |
| 当座比率 | 35.4% |
| 負債資本倍率 | 4.15倍 |
| インタレストカバレッジ | 8.80倍 |
| EBITDAマージン | 13.5% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +1.0% |
| 営業利益前年同期比 | +1.5% |
| 経常利益前年同期比 | +3.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 57.75百万株 |
| 自己株式数 | 98千株 |
| 期中平均株式数 | 57.65百万株 |
| 1株当たり純資産 | 557.08円 |
| EBITDA | 83.82億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 0.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| AdvancedMaterials | 9.51億円 | 8.55億円 |
| FibersAndTextiles | 51百万円 | -1.79億円 |
| Polymers | 29.26億円 | 49.96億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 1,100.00億円 |
| 営業利益予想 | 75.00億円 |
| 経常利益予想 | 60.00億円 |
| 1株当たり配当金予想 | 0.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
ユニチカ株式会社の2026年度第2四半期(連結、JGAAP)の決算は、営業段階での大幅な改善にもかかわらず、特別損失の発生により最終赤字となった点が最大の特徴です。売上高は62,147百万円(前年比+1.0%)と横ばいながら、営業利益は5,644百万円(同+152.7%)へ急回復し、営業利益率は9.1%と前年から大きく改善しました。一方で経常利益は4,828百万円と黒字を維持したものの、当期純利益は-3,487百万円で着地しており、経常段階から純損失への乖離(約7,928百万円)は多額の特別損失の計上が示唆されます(減損、事業構造改革費用、訴訟関連等の可能性)。デュポン分析では、純利益率-5.61%、総資産回転率0.359回、財務レバレッジ5.39倍からROEは-10.86%となり、高いレバレッジが負の純利益率を増幅した構図です。粗利益率は19.8%、EBITDAは8,382百万円、EBITDAマージン13.5%とコスト改善の成果が確認できます。営業CFは4,914百万円と黒字で、損益とキャッシュの乖離(営業CF/純利益=-1.41)は減価償却や運転資本の改善が寄与したとみられます。一方、流動比率64.8%、当座比率35.4%、運転資本-40,893百万円と短期流動性は脆弱で、棚卸資産34,196百万円が流動資産の約45%と高水準に滞留しています。負債合計は133,197百万円、純資産32,118百万円で負債資本倍率4.15倍、財務レバレッジは高めですが、インタレストカバレッジ8.8倍と短期的な利払い能力は確保されています。配当は年間0円で、赤字下およびFCF情報の不足を踏まえると慎重姿勢が継続しています。売上の伸びは限定的ながら、営業利益の伸びは顕著で、固定費削減・価格改定・製品ミックス改善などによる営業レバレッジの効果が大きいと推測されます。経常段階までの改善を踏まえると、非経常損失の一過性か継続性かが今後の最大の見極めポイントです。総資産回転率0.359回と資産効率は低位にあり、在庫圧縮と回収条件の見直しが資金繰り改善の鍵となります。自己資本比率は開示値が0.0%(不記載扱い)ですが、貸借対照表から逆算される実質自己資本比率は約18.6%(純資産32,118百万円÷総資産172,981百万円)とみられ、財務耐性は高くありません。営業黒字と営業CF黒字は前向きなシグナルで、事業の基礎収益力は回復基調ですが、特別損失の発生、流動性の弱さ、レバレッジの高さが当面の制約です。投資CF、現金残高、株式数などに不記載項目が多く、FCFや1株指標の精緻な評価には限界がある点には留意が必要です。総じて、損益の質は営業ベースで改善、財務の質は短期負債偏重で脆弱、資本効率は非経常損により毀損という三層構造が本決算の要点です。
ROE分解:報告ROEは-10.86%で、純利益率-5.61%×総資産回転率0.359回×財務レバレッジ5.39倍の積に整合します。純利益率は特別損失が主因でマイナスですが、営業利益率は9.1%(=5,644/62,147)と大幅に改善、粗利益率19.8%から販管費のコントロールが効いたとみられます。EBITDAマージン13.5%は同業伝統素材系としては良好な水準で、減価償却費2,738百万円を賄ってなお営業黒字です。経常利益が営業利益を下回る構造(4,828<5,644)は、支払利息641百万円や持分・為替等の非営業要因のマイナス寄与を示唆します。インタレストカバレッジ8.8倍は短期の金利耐性を示しますが、最終損失がROEを押し下げました。営業レバレッジ:売上+1.0%に対し営業利益+152.7%と極めて高い感応度。前期営業利益推定2,235百万円→今期5,644百万円で+3,409百万円の増益、売上増分約617百万円(前期売上推定61,530百万円)に対し増益幅が大きく、固定費削減や価格改定が主因と推測されます。利益率の質:営業・EBITDA段階は改善も、特別損失(約7,928百万円推計)が純利益を毀損。非経常損の一過性が回復の鍵です。
売上は+1.0%と限定的な伸長で、数量よりもミックスや価格の寄与が示唆されます。営業利益+152.7%はコスト構造改革や高付加価値品へのシフトの効果が大きいと推定されます。経常段階では利息負担等で伸びが鈍るものの、依然黒字維持はポジティブ。純利益は特別損失で赤字転落しており、成長の持続可能性は非経常要因の正常化が前提となります。売上総利益率19.8%は原材料価格の落ち着きや価格政策の効果を反映の可能性。総資産回転率0.359回は資産効率が低めで、成長余地は在庫回転・設備稼働率の改善に依存。見通しとしては、営業基盤は改善基調だが、非経常費用の剥落、在庫圧縮、金利上昇環境での利払増加抑制が前提条件。外部需要(素材・フィルム・繊維等の市況)と為替の変動が短期的なトップライン・マージンに影響しやすい局面です。
流動性:流動比率64.8%、当座比率35.4%と短期安全域を下回り、運転資本-40,893百万円は仕入債務・前受金への依存度が高いことを示唆。在庫34,196百万円は流動資産の約45%で、在庫回転の改善余地が大きいです。支払能力:負債合計133,197百万円、純資産32,118百万円で負債資本倍率4.15倍、財務レバレッジ5.39倍と高位。インタレストカバレッジ8.8倍により当面の利払いは可能ですが、最終赤字により内部留保は毀損。資本構成:実質自己資本比率は約18.6%(不記載のため逆算)と厚みは十分でなく、追加の非経常損や景気後退に対する耐性は限定的。短期負債偏重の資金調達構造の是正(長期化・金利固定化)が課題です。
利益の質:営業CF4,914百万円が純損失-3,487百万円を上回り、キャッシュ面では収益力が確認できます。営業CF/純利益=-1.41は、減価償却2,738百万円や運転資本の取り崩しによるギャップを反映。FCF:投資CFが不記載(0円は不記載扱い)のため厳密なFCFは算定不能。参考として営業CFは黒字であり、平常時の維持更新投資(推定)を差し引いても小幅黒字の可能性はありますが、断定はできません。運転資本:在庫水準が高く、回転改善が営業CFの更なる押し上げ余地。流動負債超過(運転資本マイナス)は短期資金繰りにボラティリティをもたらし、在庫・売掛の管理強化が必要です。特別損失は非キャッシュの可能性(減損等)もあり、次期の営業CFへの影響は限定的となるシナリオもあります。
当期は年間配当0円、配当性向0.0%。最終赤字、自己資本の薄さ、流動性の弱さを踏まえれば、内部留保優先の方針は合理的。FCFカバレッジ0.00倍は不記載項目の影響が大きく、厳密な評価は不可。持続可能性の評価は、(1)非経常損の剥落による純利益黒字化、(2)営業CFの安定継続、(3)有利子負債と短期負債の圧縮、の進捗次第。現状では無配継続または復配の慎重判断が想定されますが、投資CFと手元流動性の開示が整うまでは定量判断に限界があります。
ビジネスリスク:
- 素材・フィルム・繊維などサイクルや原材料価格の変動による収益性の変動
- 為替変動(輸出比率や原料輸入の為替感応度)による粗利率の変動
- 需要鈍化時の在庫積み上がりと値下げ圧力
- 高付加価値製品比率の伸長遅れによるマージン改善の頭打ち
- 設備稼働率・品質問題に起因する一時費用発生
財務リスク:
- 流動比率64.8%、当座比率35.4%と短期流動性の脆弱性
- 負債資本倍率4.15倍、財務レバレッジ5.39倍と高レバレッジの資本効率悪化リスク
- 特別損失の継続発生による自己資本の毀損
- 金利上昇局面での利払い負担増加(支払利息641百万円)
- 在庫高水準によるキャッシュフローのボラティリティ
主な懸念事項:
- 経常黒字から純損失への乖離(約7,928百万円)の継続性と内容の解明
- 運転資本マイナス40,893百万円の是正計画
- 投資CF・手元流動性の不記載に伴うFCF評価の不確実性
重要ポイント:
- 売上は横ばいだが、営業利益率が9.1%まで改善し基礎収益力は回復
- 特別損失により当期純損失-3,487百万円、ROEは-10.86%
- 流動性は脆弱(流動比率64.8%、当座比率35.4%)、在庫偏重の運転資本構造
- 財務レバレッジは高いが、インタレストカバレッジ8.8倍で利払いは当面耐性あり
- 営業CFは4,914百万円と黒字、損益との乖離は非現金費用・運転資本が主因
注視すべき指標:
- 特別損失の内容・一過性と来期への繰り越し有無
- 在庫回転日数・売上債権回転日数の推移
- 営業利益率・EBITDAマージンの持続性
- インタレストカバレッジと有利子負債残高
- 流動比率・当座比率の改善度合い
- 投資CF(設備投資額)とFCFの実額
- 為替・原材料価格の感応度(価格転嫁の進捗)
セクター内ポジション:
同業の伝統素材・繊維系の中では、今期の営業利益改善は上位水準だが、非経常損による最終赤字、短期負債偏重と在庫負担の大きさから総合的な財務耐性は中位~下位レンジ。構造改革の進捗が続けば収益力は同業平均以上に回復余地。
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