- 売上高: 2,040.16億円
- 営業利益: 117.90億円
- 当期純利益: 21.49億円
- 1株当たり当期純利益: 64.98円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,040.16億円 | 2,091.61億円 | -2.5% |
| 売上原価 | 1,618.92億円 | - | - |
| 売上総利益 | 472.69億円 | - | - |
| 販管費 | 403.38億円 | - | - |
| 営業利益 | 117.90億円 | 69.31億円 | +70.1% |
| 営業外収益 | 16.90億円 | - | - |
| 営業外費用 | 54.41億円 | - | - |
| 経常利益 | 100.58億円 | 31.80億円 | +216.3% |
| 法人税等 | 1.65億円 | - | - |
| 当期純利益 | 21.49億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 57.32億円 | 1.14億円 | +4928.1% |
| 包括利益 | 80.41億円 | 20.18億円 | +298.5% |
| 減価償却費 | 111.78億円 | - | - |
| 支払利息 | 9.17億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 64.98円 | 1.29円 | +4937.2% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 2,674.95億円 | - | - |
| 現金預金 | 285.81億円 | - | - |
| 売掛金 | 925.45億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 650.55億円 | - | - |
| 固定資産 | 3,503.04億円 | - | - |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 171.00億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 12.77億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 2,253.10円 |
| 純利益率 | 2.8% |
| 粗利益率 | 23.2% |
| 流動比率 | 166.9% |
| 当座比率 | 126.3% |
| 負債資本倍率 | 1.64倍 |
| インタレストカバレッジ | 12.86倍 |
| EBITDAマージン | 11.3% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -2.5% |
| 営業利益前年同期比 | +70.1% |
| 経常利益前年同期比 | +2.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -94.3% |
| 包括利益前年同期比 | +3.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 89.05百万株 |
| 自己株式数 | 803千株 |
| 期中平均株式数 | 88.20百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,660.46円 |
| EBITDA | 229.68億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 40.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| LifeScience | 89百万円 | 1.49億円 |
| RealEstate | 5.76億円 | 9.79億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 4,250.00億円 |
| 営業利益予想 | 230.00億円 |
| 経常利益予想 | 175.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 65.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 73.69円 |
| 1株当たり配当金予想 | 40.00円 |
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東洋紡株式会社(3101)の2026年度Q2(連結、JGAAP)決算は、売上高が2.5%減の2,040億円とトップラインは軟調ながら、営業利益は117.9億円で前年比+70.1%と大幅増益となり、コストコントロールとミックス改善が進展した決算である。営業利益率は5.8%と改善し、粗利率は23.2%(売上総利益472.7億円/売上高2,040.2億円)を確保しており、物量減の中でも採算管理が奏功した。経常利益は100.6億円、当期純利益は57.3億円と、営業段階の改善に比べ純利益の伸びは限定的で、前年比では-94.3%と大幅減益である。純利益の伸び悩みは、営業外損益や特別損益の影響が示唆され、実効税率が0.0%とされる一方で法人税等計上は1.65億円にとどまっている。デュポン分析では、純利益率2.81%、総資産回転率0.335回、財務レバレッジ2.60倍から算出ROEは2.44%であり、報告値と一致する。総資産6,095.7億円、純資産2,347.7億円から試算される自己資本比率は約38.5%と見られ(当該項目は不記載扱い)、資本基盤は一定の厚みを維持している。流動資産2,674.9億円、流動負債1,603.2億円により流動比率166.9%、当座比率126.3%と短期流動性は健全で、運転資本は1,071.8億円。営業キャッシュフローは171.0億円と純利益の約3.0倍(営業CF/純利益=2.98)で、利益のキャッシュ裏付けは強い。EBITDAは229.7億円、EBITDAマージン11.3%と、減価償却費111.8億円を十分に吸収する収益力に回復の兆しが見られる。支払利息9.17億円に対しインタレストカバレッジは12.9倍と安全圏。売上減少下で営業利益が大幅増となったことから、固定費吸収の改善や原材料・ユーティリティコストの落ち着き、値上げ浸透の効果が推測される。もっとも、純利益の大幅減は一過性要因(評価損、為替差損、特損等)の可能性があり、持続性の見極めが必要である。棚卸資産は650.6億円と大きく、需要鈍化時の在庫評価・回転の管理が引き続き重要となる。配当は年0円(期中)で、キャッシュ面の耐久性を優先するスタンスが示唆される。投資CFおよび現金同等物、発行済株式数、自己資本比率等は不記載扱いのため、FCFや1株指標の厳密な評価には制約がある。総じて、収益性・キャッシュ創出の質は改善、一方で純利益ボラティリティと外部環境(原材料、為替、需要)の影響度はなお高い局面である。
ROE(2.44%)はデュポン分解で、純利益率2.81% × 総資産回転率0.335回 × 財務レバレッジ2.60倍の積で説明され、現状は低い利益率と低回転の双方がボトルネック。営業利益率は5.78%(=117.9億円/2,040.2億円)で前年からの改善が示唆される。粗利率23.2%は一定の価格転嫁・ミックス改善を反映している一方、最終利益率は営業外・特別要因で圧縮。EBITDAマージン11.3%、減価償却費111.8億円と、資本集約型事業としては標準的な水準に回復。インタレストカバレッジ12.9倍と、金融費用は営業力で十分カバー。営業レバレッジについては、売上-2.5%にもかかわらず営業利益+70.1%と大きく改善しており、固定費削減・コスト最適化の寄与が大きい。DOL(概算)= +70.1% / -2.5% ≈ -28と異常値になるため、ベース効果・一過性コストの反動の影響が大きいとみるのが妥当。今後のROE改善には、(1) 純利益率の安定化(非業務的損益の抑制)、(2) 総資産回転の改善(在庫・固定資産の効率化)が鍵。
売上は2.5%減と横ばい圏、数量面の弱さかポートフォリオ見直しの影響が示唆される。営業利益は大幅増益で、価格政策・コスト削減・製品ミックス改善の効果が顕在化。純利益は57.3億円と大幅減益のため、成長の質は営業段階と最終段階で乖離。営業CFが利益を大きく上回る点は実態成長の裏付けとなる。中期的には、高機能フィルム・産業素材・バイオ/ライフ系の付加価値領域が収益ドライバーとみられる一方、一般用途の市況回復や原材料市況・為替の正常化が売上の持続性に影響。今後の見通しは、(1) 値上げの継続性、(2) 在庫水準の適正化、(3) 省エネ・環境対応製品の拡販に左右される。足元は営業段階の改善が進んだが、純利益のボラティリティを勘案するとガイダンスの達成には非経常損益管理が重要。
総資産6,095.7億円、純資産2,347.7億円から推定する自己資本比率は約38.5%と堅実な水準(当該項目は不記載扱い)。負債合計3,857.6億円、負債資本倍率1.64倍は許容範囲。流動資産2,674.9億円、流動負債1,603.2億円で流動比率166.9%、当座比率126.3%と短期支払能力は良好。棚卸資産650.6億円は規模感が大きく、回転の鈍化は運転資本を圧迫し得るためモニタリングが必要。インタレストカバレッジ12.9倍、支払利息9.17億円と利払い耐性は十分。固定資産の比率が高いとみられ、資本効率改善余地が残る。
営業CFは171.0億円で純利益57.3億円の約3.0倍、利益のキャッシュ裏付けは強い。減価償却費111.8億円を踏まえると、EBITDA229.7億円との整合性も取れており、キャッシュ創出力の回復が確認できる。投資CFは不記載扱い(0表示)であり、実際の設備投資・M&A・売却収入の把握ができないため、厳密なフリーキャッシュフロー(FCF)の評価は不可。運転資本は1,071.8億円と厚く、在庫650.6億円の圧縮はさらなる営業CF改善余地。営業CF/売上比率は約8.4%と良好。今後はCAPEXの水準・質(維持更新vs成長投資)と、在庫回転日数の改善がキャッシュフロー品質の鍵。
期中配当は0円で配当性向0.0%。営業CFは潤沢だが、投資CFが不明のためFCFベースでの配当余力評価は限定的(FCFカバレッジ0.00倍の表示は不記載に起因)。資本政策としては、当面は財務健全性と成長投資の両立を優先している可能性。持続可能な配当再開・増配には、(1) 純利益の安定化、(2) CAPEX後のFCFの安定確保、(3) ネットデット/EBITDAの低下が条件。利益のキャッシュ裏付けは強く、投資負荷が平準化すれば、配当余地は拡大し得る。
ビジネスリスク:
- 原材料(石化由来、エネルギー)の価格変動によるマージン圧迫
- 為替変動(円安・円高)による売上・コスト・評価損益の振れ
- 需要サイクル(自動車・電子材料・包装)に依存するボリュームリスク
- 在庫水準高止まりによる評価損・回転悪化リスク
- 新製品の立上げ遅延や歩留まりの悪化による採算悪化
- 環境規制・脱炭素対応に伴う追加投資・コスト増
財務リスク:
- 非経常損益の振れに伴う純利益のボラティリティ
- 金利上昇局面での利払い増加(長短借入のリプライシング)
- 大規模CAPEX実行時のFCF悪化・レバレッジ上昇
- 棚卸資産の評価減リスクによる損益・自己資本の毀損
主な懸念事項:
- 営業段階の改善に対し純利益が伸びない構図の持続性
- 投資CF不記載でFCFトレンドが把握できない点
- 在庫規模が大きく、需要鈍化時の回転低下懸念
重要ポイント:
- 売上減でも営業利益+70%とコスト最適化・ミックス改善が進展
- ROE2.44%は低水準で、利益率と資産回転の双方に改善余地
- 営業CF/純利益=2.98と利益の質は高い一方、純利益のボラティリティが課題
- 流動性は堅調(流動比率167%、当座比率126%)で財務耐性は十分
- 在庫650億円規模が運転資本効率の改善余地と潜在リスクを同時に示唆
注視すべき指標:
- 営業利益率・EBITDAマージンの四半期推移
- 営業CF/純利益、営業CFマージン
- 在庫回転日数・棚卸資産水準
- 非経常損益の規模(特別損益・為替差損益)
- CAPEX(投資CF)の水準と投資回収指標(ROIC)
- インタレストカバレッジ・ネットデット/EBITDA
セクター内ポジション:
国内化学・繊維複合メーカーの中では、足元のコスト適正化で営業段階の競争力は改善しているが、資産回転の低さと非経常要因による純利益の振れが相対的な弱み。流動性・自己資本の厚みは同業平均並みかやや良好で、改善の余地はROICとFCFの継続的積み上げにある。
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