- 売上高: 2,163.09億円
- 営業利益: 176.42億円
- 当期純利益: 244.89億円
- 1株当たり当期純利益: 116.15円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,163.09億円 | 2,263.80億円 | -4.4% |
| 売上原価 | 1,509.57億円 | - | - |
| 売上総利益 | 754.23億円 | - | - |
| 販管費 | 518.96億円 | - | - |
| 営業利益 | 176.42億円 | 326.90億円 | -46.0% |
| 持分法投資損益 | -2百万円 | - | - |
| 税引前利益 | 308.95億円 | - | - |
| 法人税等 | 64.06億円 | - | - |
| 当期純利益 | 244.89億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 106.81億円 | 225.42億円 | -52.6% |
| 包括利益 | 84.22億円 | 248.27億円 | -66.1% |
| 減価償却費 | 89.57億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 116.15円 | 254.61円 | -54.4% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 116.01円 | 254.24円 | -54.4% |
| 1株当たり配当金 | 57.00円 | 57.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 2,099.58億円 | - | - |
| 売掛金 | 594.32億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 1,190.47億円 | - | - |
| 固定資産 | 1,524.56億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 825.89億円 | - | - |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 161.58億円 | - | - |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -438.43億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 396.97億円 | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 212.73億円 | - | - |
| フリーキャッシュフロー | -276.85億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 4.9% |
| 粗利益率 | 34.9% |
| 負債資本倍率 | 0.75倍 |
| EBITDAマージン | 12.3% |
| 実効税率 | 20.7% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -4.4% |
| 営業利益前年同期比 | -46.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -52.6% |
| 包括利益前年同期比 | -66.1% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 93.89百万株 |
| 自己株式数 | 3.02百万株 |
| 期中平均株式数 | 91.97百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,226.53円 |
| EBITDA | 265.99億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 2,900.00億円 |
| 営業利益予想 | 210.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 130.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 141.79円 |
| 1株当たり配当金予想 | 48.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
カゴメ(2811)の2025年度Q3(IFRS・連結)は、売上高2,163.09億円(前年同期比-4.4%)、営業利益176.42億円(同-46.0%)と減収・大幅減益。粗利率は34.9%と前年比での改善余地はあるものの、販管費518.96億円に加え、その他営業損益純額が▲58.85億円(水準は粗利754.23億円−販管費518.96億円−営業利益176.42億円の差額)発生し、利益水準を圧迫したとみられる。税引前利益は308.95億円と営業利益を大きく上回り、営業外で約+132.53億円の一過性収益(資産売却益や評価益等の可能性)が寄与した公算が大きい。一方、法人税等64.06億円計上後の当期純利益は106.81億円(同-52.6%)にとどまり、税引前利益から純利益に至るまでのギャップが大きい(約-202億円)。この差はIFRS特有の継続事業外損益や非支配株主持分配分、評価損益の戻し等が影響した可能性がある。デュポン分解のROEは5.3%(純利益率4.9% × 総資産回転率0.581 × レバレッジ1.84倍)で、食品大手としては低位。EBITDAは265.99億円、EBITDAマージン12.3%と、キャッシュ創出力は一定水準を維持するが、営業利益率の低下で質は悪化。営業CFは161.58億円と純利益106.81億円の1.51倍で利益の現金化は良好だが、投資CFは▲438.43億円と大幅流出で、結果としてフリーCFは▲276.85億円。財務CFは+396.97億円と外部資金で投資を賄った構図で、短期借入金残高は511.76億円に積み上がっている。総資産3,725.45億円、負債1,507.74億円、純資産2,023.07億円で、自己資本比率48.0%と財務体質は中立~堅調だが、棚卸資産1,190.47億円と在庫負担が重い。在庫増や売上減速は運転資本の効率を圧迫し、総資産回転率0.581の低下要因となっている可能性。配当は計算上の配当性向50.1%と中位だが、FCFカバレッジは▲5.17倍で当期の投資負担が大きく、配当の原資は営業CFと外部調達に依存。EPSは116.15円、BPS(計算値)2,226.53円、負債資本倍率0.75倍と、過度なレバレッジではない。営業段階の収益悪化と非営業の一過性益・損の混在により、利益の質はやや不透過。原材料市況(トマト原料・エネルギー)や為替の影響、価格改定の浸透度、在庫水準の適正化が短中期のカギ。データには未記載項目があるため、金利負担や詳細な流動性指標の精緻評価には制約があるが、開示済みデータに基づき、収益性低下と投資先行の局面であることが確認される。
ROEは5.3%(純利益率4.9% × 総資産回転率0.581 × 財務レバレッジ1.84倍)。純利益率は税引前と当期純利益の乖離が大きく、非定常要因の影響が濃い。営業利益176.42億円に対し税引前308.95億円と、営業外で+132.53億円寄与の一方、当期純利益は106.81億円まで縮小。営業面では粗利率34.9%だが、販管費率は24.0%(518.96/2,163.09)前後、さらにその他営業費用純額▲58.85億円が重石。EBITDAマージン12.3%と現金創出は一定ながら、営業利益率は8.2%(176.42/2,163.09)程度に低下。営業レバレッジは売上-4.4%に対し営業利益-46.0%と高く、固定費負担の高さと価格・数量ミックスの逆風が示唆される。総資産回転率0.581は在庫1,190.47億円の厚みが効率を圧迫。利益の質は、営業段階での悪化と非営業の一時益・損が混在しており、コア収益力の評価は慎重を要する。
売上は2,163.09億円(-4.4%)と減速。国内飲料・調味料の価格改定反動や数量鈍化、海外の原料・為替影響が想定される。営業利益は-46.0%と大幅減でコアの伸びは弱含み。税引前利益の大幅増は一時益寄与の可能性が高く、持続可能性は限定的。EBITDA265.99億円は減価償却89.57億円を賄う水準だが、売上成長の牽引力は限定。棚卸資産1,190.47億円の高さは、今後の販売回復に寄与する一方で、需要鈍化時の値引き・評価損リスク。今後の成長持続性は、価格浸透とコスト低減(原材料・物流・エネルギー)に依存度が高い。中期的にはブランド力・トマト由来の健康訴求による需要底堅さが下支えとなるが、直近の利益トレンドは弱い。研究開発費未記載のため新製品パイプライン評価は限定的。短期見通しは在庫調整とミックス改善が鍵、中期は海外事業の収益安定化が焦点。
総資産3,725.45億円、負債1,507.74億円、純資産2,023.07億円で自己資本比率48.0%。負債資本倍率0.75倍とレバレッジは中位。短期借入金511.76億円は資金調達の主軸で、現金同等物212.73億円を上回る水準。買掛金444.12億円、売掛金594.32億円、棚卸資産1,190.47億円と運転資本投下が大きい。流動比率・当座比率は未記載で流動性の精緻評価は不可だが、営業CF161.58億円が短期債務の一定の緩衝材。長期借入金・有利子負債内訳未記載のため満期プロファイル評価に制約。資本剰余金232.87億円、利益剰余金1,197.25億円と内部留保は厚い。自己資本の厚みと借入の活用で投資を実行しているが、短期債務偏重は金利・リファイナンス感応度を高める。
営業CFは161.58億円で純利益106.81億円の1.51倍と良好。FCFは▲276.85億円と大幅マイナスで、投資CF▲438.43億円が主因。財務CF+396.97億円で資金ギャップを補完し、期末現金同等物212.73億円を確保。運転資本は在庫1,190.47億円・売掛金594.32億円・買掛金444.12億円の構成で資金拘束が大きい。営業CF/売上は約7.5%で、在庫圧縮と回収改善が持続すれば質は改善可能。
配当性向は計算値で50.1%と中位レンジ。配当金支払額は▲35.30億円で、営業CF161.58億円で十分賄える一方、FCFは▲276.85億円でカバレッジは▲5.17倍と不足。当期は外部調達(財務CF+396.97億円)で投資と配当をカバーした構図。平常時の営業CF水準は配当維持に一定の余裕を示すが、投資キャッシュの平準化が前提。中期的な配当の持続可能性は、営業利益回復・在庫圧縮によるFCF改善と、短期借入依存の低減に依存。配当方針は未記載だが、利益連動型(DOE含む)指標は未開示のため、今期は配当余力評価に不確実性が残る。
ビジネスリスク:
- 原材料(トマト原料、砂糖、包装材、エネルギー)価格の高止まり・変動
- 為替(主にUSD/EUR)変動による輸入コスト・海外収益のボラティリティ
- 天候不順・収穫量変動による原料調達リスク
- 競争激化(PB拡大、値下げ圧力)による価格・数量ミックス悪化
- 在庫水準の高止まりに伴う評価損・値引きリスク
- 海外事業・農業関連投資の立ち上がり遅延による収益ブレ
- 一過性の売却益・評価益への依存度上昇による利益の質低下
財務リスク:
- 短期借入金511.76億円に伴う金利上昇・リファイナンスリスク
- FCF▲276.85億円の継続化による外部資金依存度上昇
- 在庫・売掛の膨張によるキャッシュコンバージョンサイクルの悪化
- 非定常損益の振れによる利益・自己資本の変動
主な懸念事項:
- 営業利益の大幅減(-46.0%)と営業レバレッジの高さ
- 税引前利益と純利益の大きな乖離(約-202億円)の継続性
- 投資CF大幅流出(▲438.43億円)とFCF赤字の解消時期
- 棚卸資産1,190.47億円の圧縮進捗と粗利率への影響
重要ポイント:
- コア収益(営業利益)は弱含み、非営業要因が税引前利益を押し上げる非対称な収益構造
- 営業CFは堅調だが、投資先行でFCFは大幅赤字、外部資金で補填
- 在庫負担が高く、総資産回転率0.581と効率が低下
- 自己資本比率48.0%、負債資本倍率0.75倍と財務は中立だが、短期借入偏重
- 配当性向約50%は維持可能性あるが、FCF改善が条件
注視すべき指標:
- 在庫回転日数・在庫評価損の発生動向
- 販管費率とその他営業損益(▲58.85億円相当)の推移
- 価格改定の浸透度と数量ミックス、粗利率の回復
- 営業CF/純利益と営業CFマージンの持続性
- 投資CFの平準化とCAPEX/売上比率
- 短期借入金残高と実効金利、金利感応度
- 税引前利益と純利益のギャップ要因(継続・非継続、非支配)の内訳
セクター内ポジション:
国内食品大手の中では、今期の収益性は低位(ROE5.3%、営業利益率約8.2%)。財務体質は中立だが、FCF赤字・短期債務依存が相対的に慎重視される。一方でブランド力と健康訴求領域のポジショニングは中期の回復余地を確保。
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