- 売上高: 3,756.96億円
- 営業利益: 138.86億円
- 当期純利益: 86.53億円
- 1株当たり当期純利益: 99.32円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 3,756.96億円 | 3,159.57億円 | +18.9% |
| 売上原価 | 2,756.79億円 | - | - |
| 売上総利益 | 402.77億円 | - | - |
| 販管費 | 350.67億円 | - | - |
| 営業利益 | 138.86億円 | 59.71億円 | +132.6% |
| 持分法投資損益 | 8.80億円 | - | - |
| 税引前利益 | 111.79億円 | 37.51億円 | +198.0% |
| 法人税等 | 9.01億円 | - | - |
| 当期純利益 | 86.53億円 | 28.49億円 | +203.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 85.39億円 | 20.09億円 | +325.0% |
| 包括利益 | 145.29億円 | -82.62億円 | +275.9% |
| 減価償却費 | 97.13億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 99.32円 | 23.37円 | +325.0% |
| 1株当たり配当金 | 26.00円 | 26.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 2,465.65億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 1,093.49億円 | - | - |
| 固定資産 | 2,306.28億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 1,413.44億円 | - | - |
| 総資産 | 6,504.37億円 | 5,970.76億円 | +533.61億円 |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | -257.94億円 | - | - |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -89.30億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 428.99億円 | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 284.99億円 | - | - |
| フリーキャッシュフロー | -347.24億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 2.3% |
| 粗利益率 | 10.7% |
| 負債資本倍率 | 1.10倍 |
| EBITDAマージン | 6.3% |
| 実効税率 | 8.1% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +18.9% |
| 営業利益前年同期比 | +1.3% |
| 税引前利益前年同期比 | +2.0% |
| 当期純利益前年同期比 | +2.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +3.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 87.57百万株 |
| 自己株式数 | 1.59百万株 |
| 期中平均株式数 | 85.98百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,595.72円 |
| EBITDA | 235.99億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 26.00円 |
| 期末配当 | 26.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 8,000.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 165.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 191.92円 |
| 1株当たり配当金予想 | 26.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
不二製油(26070)の2026年度第2四半期は、売上高3,756.96億円(前年比+18.9%)と力強いトップライン成長のもと、営業利益138.86億円(+132.5%)と大幅な利益回復を達成しました。営業利益率は3.7%(=138.86/3,756.96)で、前年からの大幅改善が示唆されます。粗利益率は10.7%と依然タイトですが、販売費及び一般管理費率が9.3%(=350.67/3,756.96)に抑制され、営業レバレッジが効いた格好です。税引前利益は111.79億円、当期純利益は85.39億円(+325.0%)で、実効税率は8.1%と低水準(地域ミックスや一過性要因の可能性)です。デュポン分解の結果、純利益率2.3%×総資産回転率0.578×財務レバレッジ2.91倍=ROE3.8%と整合し、利益率の回復と効率性のバランスで自己資本利益率が改善しました。一方で、営業キャッシュフローは-257.94億円と大幅なマイナスで、在庫積み増し等の運転資本増加が資金を吸収した可能性が高いです。設備投資は89.11億円で、フリーキャッシュフローは-347.24億円と大きく赤字です。財務キャッシュフローは+428.99億円と大幅な資金調達超過で、短期借入金643.73億円、長期借入金434.96億円により、期中の運転資金・投資需要を外部資金で賄いました。総資産6,504.37億円に対し、純資産2,231.87億円、負債合計2,446.24億円で、負債資本倍率は1.10倍と適度なレバレッジに見えますが、有利子負債/EBITDAは約4.6倍(=1,078.69/235.99)と高めです。包括利益は145.29億円と当期純利益を上回り、その他包括損益のプラスが自己資本の下支えとなりました。棚卸資産は1,093.49億円と大きく、期末在庫/売上原価ベースの在庫日数は約145日(=1,093.49/2,756.79×365)と高水準で、価格変動や評価損リスクに注意が必要です。EPSは99.32円、期中平均株式数は8,597.6万株で、純利益85.39億円と整合します。自己資本比率は33.7%と一定の資本厚みを維持しています。配当性向は53.3%と見られますが、FCFカバレッジは-7.63倍と不十分で、現状の配当は外部調達に依存する構図です。総じて、P/Lは明確に改善した一方、C/Fは運転資本の重さが顕在化しており、利益の現金化とレバレッジの管理が今後の焦点です。開示のN/A項目が複数あるため、利払い負担や流動性指標の精緻な評価には制約がある点に留意が必要です。
ROE分解: ROE 3.8% = 純利益率 2.3% × 総資産回転率 0.578 × 財務レバレッジ 2.91倍。純利益率は低いものの、資産効率と適度なレバレッジがROEを下支え。
利益率の質: 粗利率10.7%、販管費率9.3%、営業利益率3.7%。売上成長+18.9%に対し営業利益+132.5%と営業レバレッジが顕著。実効税率8.1%は一過性のプラスや地域ミックスの影響の可能性。EBITDAマージン6.3%(EBITDA 235.99億円)と、減価償却(97.13億円)を含めたキャッシュ創出力は改善傾向。
営業レバレッジ: 売上伸長率18.9%に対し営業利益132.5%増で、限界利益率の改善と固定費の希薄化が寄与。今後は価格・原材料スプレッド維持次第で持続性が左右される。
売上持続可能性: 売上高は3,756.96億円(+18.9%)。価格改定と数量回復の両面が示唆されるが、継続性は原材料価格(油脂・カカオ等)と為替に依存。
利益の質: 営業利益率3.7%、EBITDAマージン6.3%。マージン改善は進むが、在庫積み増しの影響で営業CFが-257.94億円と利益の現金化は遅延。持分法投資利益8.80億円が下支え。
見通し: 価格転嫁の浸透とミックス改善が続けば利益率は更に改善余地。一方、在庫水準が高く、需要鈍化や市況反落時の価格調整圧力・評価損がボラティリティ要因。低税率の反動にも注意。
流動性: 流動資産2,465.65億円。流動負債未開示のため流動比率は算出不可。棚卸資産1,093.49億円は流動資産の大宗で、在庫依存の高い流動性構造。
支払能力: 総負債2,446.24億円、純資産2,231.87億円で負債資本倍率1.10倍。短期借入金643.73億円、長期借入金434.96億円で有利子負債合計1,078.69億円。有利子負債/EBITDA約4.6倍と高め。利払い情報未開示のためインタレストカバレッジは評価保留。
資本構成: 自己資本比率33.7%。包括利益145.29億円により資本は増強。財務CF+428.99億円と外部調達への依存が一時的に高い。
利益の質: 営業CF/純利益比率は-3.02倍と脆弱。利益は計上されているが、運転資本増(主に在庫)で現金化が遅延。
FCF分析: 営業CF-257.94億円、設備投資-89.11億円でFCF-347.24億円。投資CF合計-89.30億円と概ね設備投資が中心。FCF赤字は借入で補填。
運転資本: 棚卸資産1,093.49億円、在庫日数約145日(期末ベース)。売掛・買掛未開示のため全体回転の精緻化は不可だが、在庫の比重が高くキャッシュサイクル長期化が懸念。
配当性向評価: 配当性向は53.3%(計算値)と利益ベースでは許容範囲。ただし実効税率が低く一過性要因の可能性があるため、平準化した利益水準での妥当性検証が必要。
FCFカバレッジ: FCFカバレッジは-7.63倍で、現在の配当は内部創出キャッシュでは賄えていない。短期的には外部調達依存。
配当方針見通し: 在庫圧縮と営業CFの回復が進めば持続可能性は改善。逆に在庫調整や市況反落でCF悪化が続く場合、配当余力の見直しリスク。
ビジネスリスク:
- 原材料価格(植物油・カカオ等)の市況変動と価格転嫁遅延
- 為替変動による調達コスト・海外利益の変動
- 在庫水準高止まりに伴う評価損・陳腐化リスク
- 需要鈍化時の稼働率低下と固定費吸収悪化
- 税率の反動上昇による純利益圧迫
- 地政学的・物流混乱による供給制約
財務リスク:
- 有利子負債/EBITDA約4.6倍とレバレッジ高止まり
- 営業CFマイナス持続時のリファイナンス依存度上昇
- 金利上昇局面での利払い負担増(利息データ未開示で評価に不確実性)
- 短期借入金比率の高さによる流動性リスク
主な懸念事項:
- 営業CFの急回復が確認できるか(在庫圧縮と価格転嫁の持続)
- 在庫日数の正常化と評価損リスク管理
- 低実効税率の一過性か構造的かの見極め
- レバレッジ低減(有利子負債/EBITDAの低下)
重要ポイント:
- 強い売上成長と営業レバレッジでP/Lは大幅改善(営業利益+132.5%)。
- ROEは3.8%まで回復したが、純利益率の低さと高在庫がボトルネック。
- 営業CFは-258億円、FCFは-347億円でキャッシュ創出が課題。
- 有利子負債/EBITDA約4.6倍、財務CF+429億円と外部資金依存が拡大。
- 包括利益のプラスで自己資本は底上げ、自己資本比率33.7%。
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益比率(目安1.0倍超への回復)
- 在庫日数(145日→段階的な圧縮)
- EBITDAマージン(6.3%の持続・改善)
- 有利子負債/EBITDA(4.6倍→3倍台へ)
- 税率の平準化(実効税率の推移)
- 価格転嫁進捗(営業利益率の維持・拡大)
セクター内ポジション:
国内食品・素材系同業と比べ、売上成長は上位レンジ、営業利益率は中位〜やや低位、キャッシュフローとレバレッジはやや劣後。短期的な収益回復は鮮明だが、運転資本の重さと財務負担が相対的な弱み。
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