- 売上高: 2,647.36億円
- 営業利益: 90.20億円
- 当期純利益: 82.63億円
- 1株当たり当期純利益: 114.18円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,647.36億円 | 2,411.70億円 | +9.8% |
| 売上原価 | 1,460.53億円 | - | - |
| 売上総利益 | 951.16億円 | - | - |
| 販管費 | 824.46億円 | - | - |
| 営業利益 | 90.20億円 | 126.70億円 | -28.8% |
| 営業外収益 | 38.12億円 | - | - |
| 営業外費用 | 11.54億円 | - | - |
| 経常利益 | 108.69億円 | 153.28億円 | -29.1% |
| 法人税等 | 32.00億円 | - | - |
| 当期純利益 | 82.63億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 72.68億円 | 82.16億円 | -11.5% |
| 包括利益 | 57.79億円 | 104.89億円 | -44.9% |
| 支払利息 | 58百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 114.18円 | 129.18円 | -11.6% |
| 1株当たり配当金 | 45.00円 | 45.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,654.24億円 | - | - |
| 現金預金 | 602.43億円 | - | - |
| 売掛金 | 499.73億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 205.16億円 | - | - |
| 固定資産 | 2,123.47億円 | - | - |
|
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 2.7% |
| 粗利益率 | 35.9% |
| 流動比率 | 191.0% |
| 当座比率 | 167.3% |
| 負債資本倍率 | 0.39倍 |
| インタレストカバレッジ | 155.52倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +9.8% |
| 営業利益前年同期比 | -28.8% |
| 経常利益前年同期比 | -29.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -11.5% |
| 包括利益前年同期比 | -44.9% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 68.47百万株 |
| 自己株式数 | 4.81百万株 |
| 期中平均株式数 | 63.66百万株 |
| 1株当たり純資産 | 4,281.69円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 45.00円 |
| 期末配当 | 45.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Dairy | 502.87億円 | -46.82億円 |
| FoodIngredients | 2.30億円 | 16.71億円 |
| HealthAndFood | 369.36億円 | -3.27億円 |
| NutritionalConfectionery | 442.66億円 | 22.75億円 |
| OtherDomestic | 59.32億円 | 8.41億円 |
| Overseas | 648.15億円 | 72.32億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 3,640.00億円 |
| 営業利益予想 | 110.00億円 |
| 経常利益予想 | 135.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 80.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 125.66円 |
| 1株当たり配当金予想 | 50.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
江崎グリコ(2206)の2025年度Q3(累計)連結は、売上高264,736百万円(前年比+9.8%)とトップラインは堅調に拡大した一方、営業利益9,020百万円(同-28.8%)と大幅減益で、価格改定・プロモーション・資材費/物流費の上昇に伴うマージン圧迫が鮮明となりました。売上総利益は95,116百万円、粗利益率は35.9%で、売上成長に比べて粗利の伸びが鈍化している可能性が示唆されます。営業利益率は約3.4%(9,020/264,736)に低下、経常利益は10,869百万円、当期純利益は7,268百万円(同-11.5%)で、純利益率は2.75%にとどまっています。デュポン分解では、純利益率2.75%、総資産回転率0.709回、財務レバレッジ1.37倍からROEは2.67%と算出され、資本効率は業界平均を下回る水準です。流動資産165,424百万円、流動負債86,612百万円により流動比率191%、当座比率167.3%と、短期流動性は良好です。負債資本倍率0.39倍、インタレストカバレッジ155.5倍(営業利益/支払利息)と財務の安全性は高く、金利負担は軽微です。税金費用は3,200百万円で、概算の実効税率は約30%前後と推定されます(開示指標の0.0%は未記載扱い)。一方で、原材料(カカオ、乳製品、砂糖)、エネルギー・物流、人件費のコストインフレが利益を圧迫し、売上伸長が十分に利益へ転化できていません。運転資本は78,812百万円と厚く、棚卸資産は20,516百万円で水準はコントロールされているものの、売上対比の運転資本効率改善余地は残ります。総資産は373,490百万円、純資産272,581百万円と自己資本は厚く、成長投資と株主還元のオプションは保持しています。キャッシュフローや減価償却費の開示が本データでは確認できず(ゼロ表記は未開示扱い)、EBITDAやFCFの定量評価には制約があります。配当情報も未開示(年間配当・配当性向とも0表記)で、Q3時点の配当方針評価には注意が必要です。総じて、売上は拡大も、コスト・販促・製品ミックスの逆風で営業レバレッジが負に働き、ROEは2.67%と低位にとどまっています。今後は価格改定の浸透、ミックス改善(高付加価値/海外の伸長)、販促効率化、原材料の市況沈静化が鍵となります。財務基盤は強固で下方耐性は高い一方、収益性の立て直しが最大の論点です。以下、収益性、成長性、財務健全性、キャッシュフロー品質、配当持続可能性、リスク、投資示唆を整理します(注:CF・減価償却等が未開示のため一部は試算・定性的評価)。
ROE分解(デュポン):純利益率2.75% × 総資産回転率0.709回 × 財務レバレッジ1.37倍 ≒ ROE 2.67%。純利益率はトップライン拡大にもかかわらず低位で、主因は粗利率の伸び悩みと販管費増(販促・物流・人件費など)による営業利益率の低下(約3.4%)。営業外は支払利息58百万円と軽微で、経常段階での押し上げは限定的。実効税率は概算約30%とみられ、税負担も純利益率を抑制。利益率の質:粗利益率35.9%は当社のブランド力・価格改定効果を映す一方、原材料/物流コスト上昇の吸収が不十分。販促やチャネル投資の先行反映により短期的に利益率を圧迫している可能性。営業レバレッジ:売上+9.8%に対し営業利益-28.8%と負のレバレッジが顕著。固定費(人件費・減価償却・基盤費用)や販促の増加が限界利益の伸びを上回ったと推測。今後、原材料安定や追加の価格/ミックス改善で営業レバレッジの正転化が焦点。
売上持続可能性:Q3累計で+9.8%は国内菓子需要の底堅さ、価格改定浸透、海外(アジア・北米)拡大が背景と推測。チャネル別ではCVS/ECの伸長が寄与しやすい構造。利益の質:営業減益はコストプッシュと販促先行の影響が大きく、売上成長の収益転化が遅延。粗利率35.9%を確保しつつ販管費効率化が進めば改善余地。見通し:原材料相場(カカオ・乳製品)の高止まりリスクが残る一方、為替円安定着、追加値上げ・容量最適化、プレミアム/健康志向商品の拡販で中期的な再マージン化は可能。KPIとして営業利益率>5%回復、ROE>5%を当面の目標水準と位置付けたい(推奨ではなく、改善度合いの目安)。
流動性:流動資産165,424百万円、流動負債86,612百万円で流動比率191%、当座比率167.3%。短期支払能力は十分。支払能力:負債資本倍率0.39倍、インタレストカバレッジ155.5倍でレバレッジは低く、金利耐性は極めて高い。資本構成:純資産272,581百万円と自己資本は厚く、保守的なバランスシート。総資産373,490百万円に対し負債105,173百万円のため、追加借入余地は大きい。固定資産・のれん等の詳細未開示だが、減損リスクはモニタリング対象。
利益の質:営業利益の減速によりCF創出力の評価には慎重さが必要だが、本データでは営業CF・投資CF・財務CFが未開示(ゼロ表記)で定量検証は不可。FCF分析:減価償却費未開示のためEBITDA・メンテナンスCAPEXの推定ができず、FCFカバレッジの評価は保留。運転資本:運転資本78,812百万円(=流動資産165,424-流動負債86,612)。棚卸資産20,516百万円は売上対比で適正範囲に見えるが、在庫回転日数や売掛回収日数の推移が不明なため、キャッシュ転換サイクルの定量判断は困難。今後、営業CF/純利益>1.0、在庫回転改善、CAPEXの適正化が品質改善のシグナル。
配当性向・FCFカバレッジ:年間配当・配当性向・FCFが未開示(ゼロ表記)で評価は保留。財務余力は高く、平常時のフリーCF創出力が回復すれば、安定配当または累進方針の余地はある。一方、現下のROE2.67%・営業減益局面では、まず収益性回復・投資優先の可能性にも留意。配当方針見通し:期末時点のCF創出と投資計画(設備/ブランド/海外)を踏まえたバランスが鍵。少なくともネット有利子負債が低位、カバレッジが高い点は持続性の下支え。
ビジネスリスク:
- 原材料価格の高騰・変動(カカオ、乳製品、砂糖、パーム油等)による粗利圧迫
- 物流費・エネルギー費・人件費の構造的上昇
- 価格改定の需要弾力性と競合反応(値上げの受容性低下)
- 製品ミックス悪化・プロモーション過多による収益性低下
- 海外市場(アジア・北米)の景気・為替・規制リスク
- 品質問題・リコールリスクによるブランド毀損
- チャネル在庫調整やEC比率上昇に伴うリベート・販促費負担増
財務リスク:
- ROE低位(2.67%)の継続による資本効率課題
- マージン低下が営業CFを毀損するリスク(CF未開示のため検証困難)
- 為替変動による原材料コストおよび海外利益の目減り
- 潜在的な減損リスク(固定資産・のれんの詳細未開示)
主な懸念事項:
- 売上+9.8%にもかかわらず営業利益-28.8%の負の営業レバレッジ
- 粗利益率35.9%に対し販管費増が吸収できていない点
- キャッシュフロー・減価償却・CAPEXの未開示によりFCFの可視性が低い点
重要ポイント:
- トップラインは堅調だが、コスト・販促増で利益が伴わず、営業利益率は約3.4%まで低下
- ROEは2.67%と低位で、資本効率改善(利益率・回転率の両面)が課題
- 流動性・レバレッジは健全で下方耐性は高いが、利益成長の再加速が必要
注視すべき指標:
- 営業利益率の四半期推移(目安:>5%への回復)
- 粗利益率と原材料インフレの差し引き(価格改定・ミックスの寄与)
- 販管費率(特に販促・物流・人件費)のコントロール状況
- 在庫回転日数・売掛回転日数と営業CF/純利益の関係(>1.0が望ましい)
- CAPEX・減価償却の水準(メンテ/成長投資の配分)
- 海外売上・利益の伸長と為替影響
セクター内ポジション:
国内大手菓子・食品セクターの中で、財務の健全性は高い一方、収益性/資本効率は同業上位(例:高ROE・高OPMのプレイヤー)に劣後。短期的にはコスト高・販促増で下押し、 中期では価格・ミックス改善と海外伸長でキャッチアップ余地。
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