- 売上高: 6.77億円
- 営業利益: -7.74億円
- 当期純利益: -8.33億円
- 1株当たり当期純利益: -22.82円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 6.77億円 | 3.05億円 | +122.0% |
| 売上原価 | 1.45億円 | - | - |
| 売上総利益 | 1.61億円 | - | - |
| 販管費 | 9.43億円 | - | - |
| 営業利益 | -7.74億円 | -7.82億円 | +1.0% |
| 営業外収益 | 79万円 | - | - |
| 営業外費用 | 50百万円 | - | - |
| 経常利益 | -7.48億円 | -8.31億円 | +10.0% |
| 法人税等 | 1百万円 | - | - |
| 当期純利益 | -8.33億円 | -10.49億円 | +20.6% |
| 1株当たり当期純利益 | -22.82円 | -33.53円 | +31.9% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 44.83億円 | - | - |
| 現金預金 | 43.92億円 | - | - |
| 固定資産 | 45百万円 | - | - |
| 有形固定資産 | 0円 | - | - |
| 総資産 | 30.85億円 | 45.28億円 | -14.43億円 |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | -14.68億円 | 1.50億円 | -16.18億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -69百万円 | -2.44億円 | +1.75億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 33百万円 | 33.70億円 | -33.37億円 |
| フリーキャッシュフロー | -15.37億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 営業利益率 | -1.1% |
| 総資産経常利益率 | -19.7% |
| 1株当たり純資産 | 73.40円 |
| 純利益率 | -123.0% |
| 粗利益率 | 23.7% |
| 流動比率 | 439.6% |
| 当座比率 | 439.6% |
| 負債資本倍率 | 0.38倍 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 36.81百万株 |
| 期中平均株式数 | 36.53百万株 |
| 1株当たり純資産 | 73.57円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 0.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
PRISM BioLabの2025年度Q4(単体、JGAAP)の決算は、売上高が6.77億円と前年同期比+121.6%の大幅増収にもかかわらず、営業損失7.74億円、経常損失7.48億円、最終損失8.33億円と赤字が継続する構図です。デュポン分析ベースのROEは-30.76%で、純利益率-123.04%と低収益性が主因です。総資産回転率は0.219回と低く、研究開発主体の事業構造が資産効率に重石となっています。財務レバレッジは1.14倍と低水準で、自己資本の厚み(推定自己資本比率約87.8%)が損失吸収力を一定程度担保しています。粗利益率は23.7%と明示され、プロジェクトや収益ミックスの改善余地が大きい一方、スケールの小ささと固定費負担により営業赤字が拡大・固定化しています。営業キャッシュフローは-14.68億円、フリーキャッシュフローは-15.37億円と大幅なキャッシュアウトで、当面は外部資金や補助金・前受金等に依存する局面が続く見通しです。流動比率は439.6%と高く、短期の流動性は潤沢ですが、これは期中の資金調達や前受収益等のキャッシュ性流動資産に依存している可能性があります。負債資本倍率0.38倍と保守的な資本構成で財務リスクは抑制的です。配当は無配で、赤字およびマイナスFCF環境下では妥当と考えられます。営業レバレッジの高い事業モデルであるため、売上の継続的な積み上げと粗利率の改善が損益分岐点の通過に不可欠です。なお、損益計算書の売上原価と売上総利益の整合性、貸借対照表の総資産と流動資産の整合性、現金および株式数等のゼロ表示(不記載)など、開示データには不整合・非開示が含まれており、比率・水準の一部は推定値に依拠しています。特にEBITDAはゼロ表示(不記載)である一方、減価償却費ゼロかつ営業損失-7.74億円であるため、実質的なEBITDAは営業損失に近い水準とみられます。実効税率は赤字により有意な解釈は困難です。今後は売上の反復性(ロイヤルティ/マイルストン/研究受託のバランス)、受注残・提携先の拡充、パイプライン進捗の可視化が投資家の関心事となるでしょう。総じて、増収トレンドは確認できる一方、キャッシュ消費の大きさと損失幅の継続が最大の論点です。推定自己資本の厚みと高流動性が当面の耐久力を支えるものの、継続的な資金手当てまたは収益性改善の実現がカギです。
ROE分解(デュポン): 純利益率-123.04% × 総資産回転率0.219回 × 財務レバレッジ1.14倍 ≈ ROE-30.76%。ROE悪化の主因は極端に低い純利益率で、売上成長が損益改善に結びついていません。粗利益率は23.7%と低中位水準で、スケール不足とミックスが重石。営業費用の固定費性が高く、営業レバレッジは高い(売上増が一定の閾値を超えると利益が伸びやすいが、現状は赤字拡大要因)。営業利益-7.74億円、減価償却費0円(不記載可能性)から、実質EBITDAは-7.74億円程度と推定。インタレストカバレッジは不記載(支払利息0円表記)だが、金利負担は軽微とみられ、損失の大半はオペレーション由来。税負担は軽微(法人税等131万円)で、赤字に伴う一過性調整の可能性。
売上は6.77億円で前年比+121.6%と高成長。増収は新規契約/マイルストン/研究受託の伸長などが想定されるが、反復性の高い継続売上の比率は不明。粗利率23.7%からは価格交渉力・付加価値の伸長余地が大きい。営業損失が継続しており、成長投資段階の色彩が強い。利益の質は未だ低く、増収がそのまま最終利益改善に繋がっていない。見通しとしては、- 営業レバレッジの高さから、売上規模の拡大と粗利率改善が同時進行すれば損益分岐近傍まで一気に改善しうる一方、- 売上失速やプロジェクト遅延が生じると損失が拡大しやすい二面性。KPIとしては受注残、提携社数、進行中パイプラインの里程標の達成件数が重要。
流動性: 流動比率439.6%、当座比率439.6%と極めて高く、短期支払能力は良好。運転資本は34.63億円と潤沢。支払能力・資本構成: 総資産3,085百万円、純資産2,708百万円から実質自己資本比率は約87.8%(開示の「自己資本比率0.0%」は不記載に起因)。負債合計1,026百万円、負債資本倍率0.38倍でレバレッジは低い。短期負債が大半(流動負債1,020百万円)で満期集中リスクに留意するも、流動資産厚みでカバー可能。金利費用は軽微とみられ、財務コベナンツ・金利上昇感応度は限定的。
営業CFは-14.68億円と大幅なマイナスで、損失先行と運転資本増が主因と推定。投資CFは-0.69億円にとどまり、資本的支出は抑制的。フリーキャッシュフローは-15.37億円で、自己完結的な資金循環には至っていない。営業CF/純利益は1.76倍と、会計損失よりも大きなキャッシュアウトが発生しており、費用の現金性が高い(非現金費用が小さい)可能性。運転資本は34.63億円と厚いが、売上拡大局面での売上債権増や前受金の変動がキャッシュフローの振れを拡大させうる。財務CFは+0.33億円と小規模で、継続的な資金手当てが今後の課題。
当期は無配(配当性向0%)。赤字およびマイナスFCF(-15.37億円)を踏まえると無配方針は整合的。FCFによる配当カバレッジは0.00倍で、配当余力は現時点では認めにくい。今後の配当再開・増配には、(1) 黒字化、(2) 安定的なプラスFCF、(3) 運転資本需要を賄ったうえでの手元資金積み上げ、の3条件が前提。資本政策は当面、成長投資と研究開発の資金確保を優先する公算。
ビジネスリスク:
- パイプライン進捗や提携マイルストンの遅延による売上変動・達成不確実性
- 粗利率の低位・収益ミックスの弱さによる赤字固定化リスク
- 営業レバレッジの高さに起因する需要ショック時の損失拡大
- キー人材・研究開発人材の獲得・維持に関するオペレーショナルリスク
- 知財関連の係争・特許網の防衛コスト上昇
財務リスク:
- 継続的なマイナスFCFによる将来的なエクイティ/デット調達依存
- 短期負債への依存度が高い構造におけるリファイナンス/満期集中リスク
- 為替変動が海外収入/コストに与える影響(開示不足で感応度不明)
- 金利上昇局面での調達条件悪化可能性(現状の金利負担は軽微)
主な懸念事項:
- 売上の反復性と受注残の可視性不足
- 粗利益率の改善見込みと価格交渉力の実態
- キャッシュ消費ペース(-15.37億円のFCF)の持続可能性
- BS項目・PL項目の一部不整合に起因する定量評価の不確実性
重要ポイント:
- 売上は+121.6%と高成長だが、ROE-30.76%・純利益率-123.04%で収益性は未成熟
- 自己資本厚く(実質自己資本比率約87.8%)、財務レバレッジは低位で耐久力あり
- FCF-15.37億円とキャッシュ消費大、追加資金手当てまたは収益性改善が必須
- 粗利益率23.7%と営業レバレッジの高さが損益分岐通過の鍵
- 短期の流動性は高水準(流動比率約440%)で当面の支払余力は十分
注視すべき指標:
- 受注残・契約更新率・マイルストン達成件数
- 粗利益率と売上ミックス(ロイヤルティ/マイルストン/研究受託)
- 四半期ベースの営業CFとFCFの改善トレンド
- 現金同等物残高と資金調達のタイミング/規模
- R&D費用と固定費の推移(損益分岐点の移動)
セクター内ポジション:
バイオ・創薬支援領域の中で、資本構成は保守的で耐久性は高い一方、収益性・キャッシュ創出力は同業平均を下回る。高成長だが損益分岐未達の“投資フェーズ”として相対評価される。
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