- 売上高: 1,513.01億円
- 営業利益: 96.52億円
- 当期純利益: -35.32億円
- 1株当たり当期純利益: 277.35円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,513.01億円 | 1,393.39億円 | +8.6% |
| 売上原価 | 1,277.90億円 | - | - |
| 売上総利益 | 115.48億円 | - | - |
| 販管費 | 107.57億円 | - | - |
| 営業利益 | 96.52億円 | 7.91億円 | +1120.2% |
| 営業外収益 | 8.82億円 | - | - |
| 営業外費用 | 47.75億円 | - | - |
| 経常利益 | 129.71億円 | -31.01億円 | +518.3% |
| 法人税等 | 19.44億円 | - | - |
| 当期純利益 | -35.32億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 99.50億円 | -3.24億円 | +3171.0% |
| 包括利益 | 134.97億円 | -60.48億円 | +323.2% |
| 減価償却費 | 19.96億円 | - | - |
| 支払利息 | 3.26億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 277.35円 | -8.80円 | +3251.7% |
| 1株当たり配当金 | 113.00円 | 113.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 2,411.35億円 | - | - |
| 現金預金 | 287.14億円 | - | - |
| 固定資産 | 1,523.30億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 651.64億円 | - | - |
| 無形資産 | 15.44億円 | - | - |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | -161.82億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 21.95億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 6.6% |
| 粗利益率 | 7.6% |
| 流動比率 | 137.8% |
| 当座比率 | 137.8% |
| 負債資本倍率 | 1.22倍 |
| インタレストカバレッジ | 29.61倍 |
| EBITDAマージン | 7.7% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +8.6% |
| 営業利益前年同期比 | -87.7% |
| 経常利益前年同期比 | +70.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +3.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 38.67百万株 |
| 自己株式数 | 2.79百万株 |
| 期中平均株式数 | 35.88百万株 |
| 1株当たり純資産 | 5,037.64円 |
| EBITDA | 116.48億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 113.00円 |
| 期末配当 | 103.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Construction | 936.48億円 | 41.25億円 |
| Engineering | 524.91億円 | 54.61億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 3,025.00億円 |
| 営業利益予想 | 130.00億円 |
| 経常利益予想 | 152.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 123.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 342.90円 |
| 1株当たり配当金予想 | 130.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
奥村組(1833)の2026年度第2四半期(連結、JGAAP)決算は、売上高が1,513億円(前年同期比+8.6%)と堅調に拡大する一方、営業利益は96億円(同-87.7%)と大幅減益となり、利益構造に大きなミックス変化が見られます。売上総利益は115億円で粗利率は7.6%と低水準にとどまり、価格転嫁の遅れや原価高(資材・労務費)に加え、工事進捗ミックスの悪化が示唆されます。一方で、営業外収益の寄与により経常利益は129億円と営業利益を上回り、当期純利益は99億円(同+351.7%)と大幅増益を確保しました。営業利益と経常利益のギャップ(約33億円)は、受取利息・配当金、為替差益、持分法投資利益等の非営業要因が利益を下支えした可能性を示します。EPSは277.35円と高水準ですが、発行済株式数やBPS等の株式関連開示が0表記で未取得のため、バリュエーション指標の整合的比較は困難です。デュポン分析では、純利益率6.58%、総資産回転率0.391回、財務レバレッジ2.14倍からROEは5.51%と中位水準を維持しています。営業CFは▲161億円と大幅マイナスで、純利益に比して資金創出力が弱く(営業CF/純利益=-1.63倍)、工事未収入金・前払費用等の運転資本増加がキャッシュを圧迫したと見られます。流動比率は138%と安全域にあるものの、運転資本需要の季節性・案件偏在が資金繰りに与える影響は無視できません。インタレストカバレッジは29.6倍と高く、短期的な支払能力に問題は見られません。自己資本比率は0.0%表記ですが、これは不記載を意味し、実態として純資産1,807億円・総資産3,867億円からみてレバレッジ2.14倍と財務の地合いは健全と評価できます。利益の質という観点では、営業段階の収益力が弱い一方で非営業要因の寄与が大きく、持続性には留意が必要です。投資CFが0表記のため、フリーキャッシュフロー(FCF)は算出困難ですが、営業CFがマイナスである点はキャッシュ面の慎重姿勢を要請します。配当は0円・配当性向0.0%と表示されていますが、これは不記載の可能性が高く、実際の配当方針・実績把握には会社開示の補完が不可欠です。総じて、売上は堅調、営業利益は大幅減、非営業益で最終益を確保、キャッシュは運転資本流出が重く、財務の安全性は確保という構図です。今後は原価環境と工事採算、案件ミックスの見直し、運転資本の正常化が収益・キャッシュの改善鍵となります。なお、本分析では0表記(不記載)項目は参考外とし、入手済みの非ゼロデータを中心に評価しています。
ROE分解: ROE=5.51%は、純利益率6.58% × 総資産回転率0.391回 × レバレッジ2.14倍の積に整合。純利益率は非営業項目の寄与で営業段階より高止まり、資産回転は建設業特性(工事未収・前受の多寡)を反映し0.39回と低め、レバレッジは2.14倍で適正レンジ。
利益率の質: 粗利率7.6%、営業利益率6.4%(=96.5億円/1,513億円)と低下基調。EBITDAマージン7.7%(116.5億円/1,513億円)から、減価償却費は19.96億円と軽く固定費負担は限定的。一方、営業外段階の寄与により経常利益率は8.6%まで改善(129.7億円/1,513億円)。最終益の増益は持続性に課題。
営業レバレッジ: 売上+8.6%にもかかわらず営業利益-87.7%と強い負の営業レバレッジが発現。要因は原価上昇・工期ずれ・採算の低い案件ミックスなどによる限界利益率低下と推定。SG&Aは約18.96億円(粗利115.48億円−営業利益96.52億円)で大幅な固定費増は見られず、主因は売上総利益率側。
売上持続可能性: 受注残の記載はないが、売上は1,513億円(+8.6%)と堅調。公共/民間の分散や土木・建築のバランス次第で通期も一定の底堅さが見込まれる一方、案件の進捗タイミングにより半期ベースの変動は大きい可能性。
利益の質: 経常・最終利益が非営業の寄与で上振れ(営業→経常の+33.2億円)。金利・為替・有価証券評価や持分法利益等の一過性リスクを内包。持続的成長には工事採算の平準化と原価管理強化が不可欠。
見通し: 短期は原価高と人手不足の継続、契約更改のタイムラグが利益率回復の制約。中期は入札精度向上、インフラ更新需要、民間再開発の底堅さが追い風。営業CFの改善(運転資本の正常化)が伴えば利益成長の確度が高まる。
流動性: 流動資産2,411億円、流動負債1,749億円で流動比率138%、当座比率も同値(棚卸は不記載)。運転資本6,616億円と潤沢だが、営業CFマイナスが示す通り、期中の資金流出には注意。
支払能力: インタレストカバレッジ29.6倍(EBIT/支払利息=96.5億円/3.26億円)。短期的な利払い能力は十分。レバレッジ2.14倍、純資産1,807億円からみて債務耐性は良好。
資本構成: 総資産3,867億円、負債2,210億円、純資産1,807億円。自己資本比率は0.0%表記(不記載)だが、実態は約46–47%相当と推定され健全域。追加の有利子負債詳細は未開示。
利益の質: 純利益99.5億円に対し営業CF▲161.8億円、営業CF/純利益=-1.63倍と低品質。売上計上と入金のタイムラグ(未収入金増)や前受金減少が要因の可能性。
FCF分析: 投資CFが0表記(不記載)のため厳密なFCF算定不可。設備投資が軽い体質であれば、営業CFの正常化によりFCF改善余地は大。現時点では営業CFの大幅マイナスがFCF創出を阻害。
運転資本: 運転資本が6,616億円と積み上がり、期中のキャッシュ吸収が顕著。受取手形・工事未収、前払費用、未成工事支出金等の内訳把握と回収サイクル短縮が課題。
配当性向評価: 配当は0円・配当性向0.0%と表示されるが不記載の可能性が高く、実際の還元実績は未確認。EPS277.35円から見ると、仮に常態的な配当性向30%なら1株当たり80円超の余地は概念上あるが、確証なし。
FCFカバレッジ: FCF不算定(投資CF不記載)かつ営業CFがマイナスで、現時点評価は保守的。持続的配当には運転資本の正常化と営業CFの黒字転換が前提。
配当方針見通し: 資本余力(純資産1,807億円)は厚いが、キャッシュ創出が安定化するまで増配余地の議論は時期尚早。会社の還元方針(DOE/配当性向/機動的自社株)開示の確認が必要。
ビジネスリスク:
- 資材・労務費の上昇と価格転嫁のタイムラグによる粗利圧迫
- 大型案件の採算悪化・工期遅延による営業レバレッジの逆回転
- 受注ミックス(土木/建築、民間/公共)の変化による利益率ボラティリティ
- 人材確保難・下請単価上昇に伴う固定費化リスク
- 非営業利益依存(有価証券・為替・持分法)の一過性・逆風転化リスク
財務リスク:
- 営業CFの大幅マイナス(▲161.8億円)に伴う運転資本の資金吸収
- 金利上昇局面での金融費用増加(支払利息3.26億円は現状軽微だが増加余地)
- 受取債権・工事未収の回収遅延による流動性リスク
- 投資CF不記載に伴う資本支出の把握不足(将来のFCFに対する不確実性)
主な懸念事項:
- 営業利益-87.7%の急減と粗利率7.6%への低下
- 営業→経常の利益ギャップ(約33億円)に依存した最終利益の確保
- 営業CF/純利益=-1.63倍という低いキャッシュ変換率
重要ポイント:
- 売上は増収だが採算悪化で営業利益が大幅減少
- 非営業収益の寄与で経常・最終利益は底上げ
- 運転資本の膨張により営業CFが大幅マイナス
- 流動性とレバレッジは健全域だがキャッシュ創出の不安定さが課題
- ROEは5.51%で資本効率は中位、改善には利益率回復と資産回転の向上が必要
注視すべき指標:
- 受注高・受注残と工事採算の四半期推移
- 粗利率・営業利益率(案件ミックス・原価転嫁の進捗)
- 営業CFと運転資本回転(工事未収入金、前受金、未成工事支出金)
- 非営業損益の内訳(持続性の判定)
- 有利子負債残高と金利感応度
- 配当方針・実績(配当性向/DOE)と自己株式の活用
セクター内ポジション:
業界内で財務の安定性は高い部類だが、当期は採算悪化と運転資本膨張により利益の質・キャッシュ創出力で見劣り。非営業要因への依存度が相対的に高く、事業面での安定的な採算確保とキャッシュコンバージョンの改善が同業上位と並ぶための焦点。
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