- 売上高: 9,078.72億円
- 営業利益: 812.85億円
- 当期純利益: 467.95億円
- 1株当たり当期純利益: 378.30円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 9,078.72億円 | 9,522.98億円 | -4.7% |
| 売上原価 | 8,621.63億円 | - | - |
| 売上総利益 | 901.34億円 | - | - |
| 販管費 | 496.01億円 | - | - |
| 営業利益 | 812.85億円 | 405.33億円 | +100.5% |
| 営業外収益 | 122.51億円 | - | - |
| 営業外費用 | 30.36億円 | - | - |
| 経常利益 | 839.08億円 | 497.48億円 | +68.7% |
| 法人税等 | 193.78億円 | - | - |
| 当期純利益 | 467.95億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 636.42億円 | 448.49億円 | +41.9% |
| 包括利益 | 811.03億円 | 94.41億円 | +759.1% |
| 減価償却費 | 77.83億円 | - | - |
| 支払利息 | 10.76億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 378.30円 | 243.99円 | +55.0% |
| 1株当たり配当金 | 65.00円 | 65.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 15,996.98億円 | - | - |
| 現金預金 | 2,406.89億円 | - | - |
| 固定資産 | 8,291.39億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 2,467.45億円 | - | - |
| 無形資産 | 275.38億円 | - | - |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | -1,083.23億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -459.79億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 7.0% |
| 粗利益率 | 9.9% |
| 流動比率 | 123.7% |
| 当座比率 | 123.7% |
| 負債資本倍率 | 1.65倍 |
| インタレストカバレッジ | 75.54倍 |
| EBITDAマージン | 9.8% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -4.7% |
| 営業利益前年同期比 | +1.0% |
| 経常利益前年同期比 | +68.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +41.9% |
| 包括利益前年同期比 | +7.6% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 183.17百万株 |
| 自己株式数 | 18.73百万株 |
| 期中平均株式数 | 168.23百万株 |
| 1株当たり純資産 | 5,627.64円 |
| EBITDA | 890.68億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 65.00円 |
| 期末配当 | 145.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Construction | 117.01億円 | 287.70億円 |
| Development | 29.85億円 | 125.86億円 |
| Engineering | 92.89億円 | 398.57億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 20,900.00億円 |
| 営業利益予想 | 1,480.00億円 |
| 経常利益予想 | 1,520.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 1,370.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 826.63円 |
| 1株当たり配当金予想 | 125.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
大成建設(18010)の2026年度第2四半期(連結/JGAAP)は、売上高9,078億円(前年比-4.7%)と減収ながら、営業利益812億円(同+100.5%)、当期純利益636億円(同+41.9%)と大幅な増益を確保しました。粗利益は901億円、粗利率は9.9%と、コストコントロールと案件採算の改善を示唆します。営業利益率は8.9%と高水準で、前年の低採算案件の一巡や原価低減の進展が背景とみられます。デュポン分析では純利益率7.01%、総資産回転率0.361回、財務レバレッジ2.72倍から、ROEは6.88%と算出され、資本効率は業界平均水準を上回る可能性があります。経常利益は839億円で、支払利息は11億円にとどまり、インタレストカバレッジは75.5倍と極めて健全です。一方、営業キャッシュフローは-1,083億円と大幅なマイナスで、利益計上に対するキャッシュ創出の遅延(営業CF/純利益=-1.70倍)が顕著です。流動資産1兆5,997億円、流動負債1兆2,929億円により、流動比率/当座比率はともに123.7%と短期流動性は良好です。総資産2兆5,165億円、純資産9,254億円、負債資本倍率1.65倍と、バランスシートの耐久性は確保されています。減価償却費は78億円と軽く、EBITDAは891億円(マージン9.8%)で、非現金費用の少ない事業構造が営業レバレッジの高さにつながっています。法人税等は194億円で、当期の実効税率は概算で約23%程度と見られ、税負担は平常域にあります。配当は年間0円、配当性向0%とされますが、期中未開示/計上期ズレの可能性があり、政策判断には追加情報が必要です。棚卸資産、現金同等物、投資CF、発行株式数等の重要項目が不記載(0表示)で、キャッシュポジションやFCFの精緻な評価には制約があります。建設セクター特性として前受金・未成工事受入金/売掛・未成工事支出金の振れが大きく、半期ベースの営業CFは季節性・案件進捗の影響を強く受けます。受注環境は防災・インフラ更新、再開発、データセンター、脱炭素関連で堅調が見込まれる一方、労務・資材コスト上昇と技能者不足が採算リスクです。総じて、損益は良化、財務健全性は堅調、キャッシュ創出は短期的に逆風というミックスで、下期の回収局面と受注採算の持続性が重要論点です。
ROEはデュポン分解で、純利益率7.01% × 総資産回転率0.361回 × 財務レバレッジ2.72倍 = 6.88%と整合。純利益率は建設大手として良好で、粗利率9.9%から営業利益率8.9%へとSG&A負担(約88億円/売上比1.0%程度)が軽い点が特徴。営業レバレッジは高く、売上が小幅減でも営業利益が倍増しており、案件採算改善と固定費圧縮の寄与が大きい。EBITとEBITDAの差(減価償却78億円)が小さいため、非現金費用の影響は限定的。経常利益839億円に対して支払利息11億円、インタレストカバレッジ75.5倍と金融費用の希薄化が利益率を下支え。税負担は法人税等194億円/税引前利益(概算:経常ベース)約839億円で実効税率約23%と健全水準。まとめると、採算改善が主因の増益で、固定費比率の低さと金融費用の軽さがROEを押し上げる一方、資産回転率0.361回はゼネコン平均並で、回転率改善余地は限定的。
売上は-4.7%減収だが、利益は大幅増益で、短期的には質の高い案件比率の上昇と原価管理の徹底が成長ドライバー。半期ベースでの売上減は大型案件の工程進捗のタイミングの影響が大きい可能性。利益の質は、粗利率の改善とインタレストカバレッジの高水準から良好。ただし営業CFが大幅マイナスでキャッシュ回収のタイミングに依存する側面が強い。受注環境は、公共投資(防災・国土強靭化)、都市再開発、半導体/データセンター、再エネ・脱炭素関連に支えられやすい。コスト環境(資材・労務)は上昇圧力が続くが、契約条件のエスカレーター条項や設計・施工一体(デザインビルド)の拡大で転嫁余地は一定。見通し上の焦点は、(1)上期の採算改善が下期も持続するか、(2)前受金/出来高計上と回収のギャップ縮小により営業CFが反転するか、(3)民間再開発・データセンター等の高採算案件の受注継続、の3点。
流動性は流動比率123.7%、当座比率123.7%と良好。運転資本は3,067億円のプラスで、短期債務の圧迫度は限定的。支払能力は、負債資本倍率1.65倍、財務レバレッジ2.72倍と、自己資本による吸収力が機能。利払い負担は支払利息11億円と軽微。総資産2.52兆円、純資産9,254億円から、自己資本の厚みは相応に高い(自己資本比率は不記載のため算出不能)。長短構成の詳細は不明だが、流動負債1.29兆円と流動資産1.60兆円のバランスから短期資金繰りの余裕は一定。現金・借入開示が不記載(0表示)のためネットキャッシュ/ネットデットの判定は不可。
営業CFは-1,083億円と大幅な流出で、純利益636億円に対しキャッシュ創出が遅延(営業CF/純利益=-1.70倍)。要因は、未成工事支出金・売掛金の増加や前受金の減少などの運転資本悪化によると推定。減価償却78億円と非現金費用は小さく、会計利益からのキャッシュ化は運転資本次第。投資CFは不記載(0表示)で、設備投資・有形投資の実態は把握困難。FCFは不記載(0円)だが、営業CFが大幅マイナスであることから実質的にはマイナス圧力が強いとみるのが妥当。財務CFは-460億円で、自己株や配当、債務返済等によるキャッシュアウトが示唆されるが内訳は不明。下期に出来高回収が進むか、前受金が積み上がれば営業CFの改善余地は大きい。運転資本の季節性と案件進捗により半期ベースのCF変動は大きい点に留意。
開示上、年間配当0円・配当性向0%・FCFカバレッジ0.00倍と表示されているが、期中未定/不記載の可能性が高く、本数値をもって配当停止と判断すべきではない。純利益636億円水準・インタレストカバレッジ高水準から、利益ベースの配当余力は十分。一方で上期営業CFが-1,083億円であるため、キャッシュベースの余力は下期の回収動向に依存。建設大手は通期業績確度とキャッシュ回収見極め後に配当実行する慣行があり、下期でのFCF改善が確認できれば持続可能性は高まる。方針見通しとしては、安定配当+機動的な自己株買いの併用が一般的であり、ネットキャッシュ/デット、受注残、通期CFガイダンスが鍵。
ビジネスリスク:
- 資材・労務コストの上昇と価格転嫁遅れによる採算圧迫
- 技能者不足・労務制約による工期遅延および違約リスク
- 大型案件の工程進捗偏重による売上・CFのボラティリティ
- 受注競争激化による入札価格の低下
- 安全・品質問題発生時の損失引当・信用毀損
- 国内建設需要の景気連動性と民間投資サイクルの弱含み
財務リスク:
- 営業CFの大幅マイナス継続による運転資金負担増
- 前受金減少・回収遅延による短期資金繰りの逼迫
- 金利上昇局面での借入コスト上昇(現在は利払い低水準)
- 海外案件に伴う為替変動・与信リスク
- 偶発債務・係争に係る一時損失リスク
主な懸念事項:
- 上期の採算改善が一過性か持続的かの見極め
- 営業CFの大幅マイナスの解消タイミング
- 高採算分野(データセンター・再開発等)の継続的な受注確保
重要ポイント:
- 売上は-4.7%だが営業利益+100.5%と大幅改善、営業利益率8.9%まで上昇
- デュポンROE6.88%は純利益率改善と低い金融費用が寄与
- インタレストカバレッジ75.5倍で財務耐久性は高い
- 営業CF-1,083億円でキャッシュ創出の遅延が課題
- 流動比率123.7%・運転資本3,067億円で短期流動性は確保
- 減価償却78億円と軽量な資産構造で営業レバレッジが高い
注視すべき指標:
- 受注高・受注残と案件採算(粗利率・原価差異)
- 営業CFと運転資本(未成工事支出金・前受金・売掛金)の四半期推移
- 資材・労務単価の動向と価格転嫁率
- 大型案件の進捗率と出来高計上の平準化
- 資本政策(配当・自己株買い)とネットキャッシュ/デット
- 海外案件比率と為替感応度
セクター内ポジション:
国内大手ゼネコンの中で、利益率・財務耐久性は良好な部類。一方で上期の営業CF悪化は同業他社と比べても振れが大きく、下期の回収実績確認が相対評価のカギ。高採算案件の比率次第で通期の収益品質に差が出やすいポジショニング。
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